第64期王将戦七番勝負第3局 Feed

2015年1月29日 (木)

控室では明日の現地大盤解説会でプレゼントする色紙の作成が進められています。大盤解説会は当日受付可。昼食付を希望される方は10時までにお申し込みください。みなさまのご来場をお待ちしております。

【現地大盤解説会】
日時:1月30日(金) 9時から終局まで
会場:ホテル花月 2階特設会場 ※アクセスはこちら
会費:一般3000円(昼食付) ※観戦のみは1000円、高校生以下は無料(昼食は別料金)
出演:佐藤秀司七段、中村修九段ほか
問い合わせは王将戦開催実行委員会(大田原市文化振興課)0287-98-3768、もしくはホテル花月0287-54-1105まで。

Dsc_0422 (中村修九段は白紙を前に熟考。筆に手を伸ばしたのは5分後だった)

01_42前例を離れたことで控室でも検討が始まりました。まず浮かぶ疑問は「なぜ△4四銀右ではなく△4四銀左だったのか」。△4四銀左の意図を形だけで推測すれば、(1)△3三桂と跳ねられる、(2)▲4六角から▲6四角を同銀と取れる、この2点になりますが、玉側の桂を跳ねると囲いの弱体化につながります。

たとえば図から▲4六角△3三桂▲6四角△同銀▲3五歩△同銀▲7一角△4二飛▲3五角成△同歩▲3四歩(参考図)。過激すぎる攻めですが、後手にとっては怖い変化です。郷田九段の目指す形はなにか。控室の検討が続いています。

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Dsc_0415 (控室の検討の様子)

Dsc_0405 (佐藤秀司七段と中村修九段)

Dsc_0412 (松本佳介六段)

01_4112時30分、図の局面で昼食休憩に入りました。現局面までの消費時間は▲渡辺49分、△郷田1時間2分(持ち時間、各8時間)。昼食は渡辺王将が鴨南ばんそば、郷田九段が天ぷらそば、苺(とちおとめ)ジュース。対局は13時30分に再開します。


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Dsc_0265 (渡辺王将は鴨南ばんそば)

Dsc_0291 (郷田九段は天ぷらそば、苺(とちおとめ)ジュース)

ホテル花月は創業140年余。王将戦は9年連続9回目の開催です。ホテルのとなりを清流・那珂川が流れ、はるか先には八溝山系の雄大な景色が広がります。名物は鮎料理。そのほかにも「とちぎ和牛」や地元のフルーツも楽しめます。
下で紹介するサイトは大田原市文化振興課が運営しているもの。第55期王将戦以降の栃木対局の写真があります。ホテル花月は第56期から開催しています。

【栃木県の王将戦特設サイト】
http://e-5566.com/oushyo/

Dsc_0222 (ホテル外観)

A212 (ロビーには過去の王将戦の写真や色紙が飾られている)

A218 (第62期の写真と色紙。渡辺王将はこの期に初めて王将位を獲得した)

大田原市(おおたわらし)は栃木県の北東部に位置する都市。東部は茨城県と福島県に接しています。2005年10月に湯津上村、黒羽町と合併して現在の形になりました。自然豊かな土地で、市内を流れる那珂川・箒川は鮎の漁獲量日本一の清流として知られています。
人口は約7万5千人。古代から人々の営みがあり、市内では古墳や土器が見つかっています。江戸時代には旧奥州街道の宿場町として栄えました。

ホテル花月のある黒羽地区も古くから栄えた町で、「那須与一」や「松尾芭蕉」のゆかりの地です。大田原市を中心として地域は、かつては那須一族が治めており、那須与一は平安時代末期の武将の武将で弓の名手でした。大田原市のイメージキャラクター「与一くん」は那須与一に由来します。松尾芭蕉は江戸時代前期の俳人で「俳聖」と呼ばれました。芭蕉は弟子の曾良を伴って「奥の細道」の旅に出ましたが、当時もっとも長く滞在した土地が現在の大田原でした。市内にはいくつもの句碑が残されています。

近年は将棋の町としても有名で、大田原市で王将戦が開催されるのは今年で10年連続。地元の子どもたちが検分と対局開始の様子を見学。前夜祭にも子どもたちの姿がありました。

01_34_2▲4六銀△4五歩(図)と進みました。最近流行している形で、△5三銀▲3七桂の進行と比べると、後手が主導権を握れる可能性があります。郷田九段が公式戦で△4五歩を指すのは本局が初めてですが、▲郷田-△渡辺戦では同じ形を指しています(今期順位戦A級)。
ちなみに図の少し前、神谷八段は「34手目に△4五歩を指す」、中村修九段は「歩を突かずに△5三銀とする」と予想対決をしていたようです。_

Dsc_0199 (肩を落としてモニターを見る中村修九段)