第62期王将戦七番勝負第5局 Feed

2013年3月 6日 (水)

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図の局面で18時を回り、指しかけの一手を渡辺竜王が封じました。
消費時間は▲佐藤4時間18分、△渡辺3時間13分。
対局は明日9時に再開いたします。

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(封じ手を待つ間、棋譜を眺める佐藤王将)

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(数分で封じ手を書き終えた渡辺竜王が戻った)

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(佐藤王将が封筒に署名を書き加える)

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(封じ手の内容を知るのは渡辺竜王ただ一人)

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(立会人の佐藤義則八段に手渡される)

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(1日目が終了した)

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図は17時頃の局面。佐藤王将は▲5五角と歩を補充しました。
「先後ともに方針が難しい局面」と控え室の検討陣。「△3五銀を打ったことで、後手玉にすぐに迫る手が難しい。後手からもすぐに動く手は難しい。△4二角と引いておいて、しばらくは間合いの計り合いのような展開になりそうです」と真田七段。

後手からもすぐに動く手が難しいことの例として、現局面から9筋の端攻めを狙う展開を見てみましょう。図から△9六歩▲同歩△9七歩に▲同香△9五歩▲同歩(参考図)と進めば、これは後手が成功しています。

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参考図以下、△9七角成で▲同玉は△9五飛が王手角取り、▲同桂は△9六歩が激痛です。
しかし途中の△9七歩に▲8六銀と受けられて、この筋はうまくいかないとのことです。

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(17時頃の控え室)

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図は16時30分頃の局面。△3五銀までの消費時間は▲佐藤3時間25分、△渡辺2時間16分(持ち時間各8時間)。

真田七段による現局面の解説です。
まず、後手が攻めるためには△7四銀~△7三桂の2手が必要ですが、現局面はそれが間に合っていません。それは先手が2歩損の代償にスピードを付けて攻めているため。先手は後手の右側の銀桂が働く前に攻め続けたい、後手は局面を収めて2歩得を主張したい、そのあたりのせめぎ合いとなっています。

図の△3五銀では、△3三桂も考えられたようですが、将来先手に歩がもう一枚入ると▲2四歩△同歩▲2三歩△同金▲2五歩の攻めが厳しくなります。「桂を跳ねると玉が弱体化するので、渡辺竜王の好む展開ではないかもしれません」と真田七段。
△3五銀に対して先手の候補手は、▲5五角か▲6八角。▲5五角は歩を補充する狙いですが、取った瞬間は角の働きがいまひとつ。さらに△5四歩▲3七角△3三桂から次に△4五桂や△3六銀で角が狙われやすいとのこと。「1歩補充することが非常に大きいと見れば▲5五角とするかもしれません。普通は角が狭く危険なので▲6八角が本線です」と真田七段。

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(大盤解説会場で詳しく解説する真田七段)

銀波荘から徒歩3分ほどのところにある小高い山。そこには、ムラサキシキブ、シラハギなど、万葉の歌人が愛した花が咲きます。その山道が遊歩道として整備され、万葉歌人(柿本人麿、麻績王、高市連黒人、長忌寸奥麿)の歌碑が立てられています。

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(万葉の小径の入口)

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(山道に階段が作られている)

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西浦温泉の散策にはホテルのレンタサイクルが便利です。
500円/1日でペットボトルのお茶付き。

15時を回り対局室におやつが運ばれました。
注文は佐藤王将がフルーツ盛り合わせ(ぶどう・パイン・特製いちごロール)、渡辺竜王はホットコーヒーのみです。

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(控え室には地元産みかんが箱でドーンと差し入れられた)

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(こちらのみかんは、時期的にそろそろ終わりとのこと)

タイトル戦の対局地として歴史のある銀波荘内には将棋にまつわる品が数多く展示されています。

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第53期名人戦第4局▲羽生善治名人-△森下卓八段戦

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第19期王将戦第3局 大山康晴名人-二上達也八段戦

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大山康晴十五世名人の名の入った品

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図の局面で昼食休憩に入りました。
消費時間は▲佐藤2時間9分、△渡辺1時間1分。食事の注文は、佐藤王将がきしめん。渡辺竜王は刺身定食。対局は13時30分に再開されます。

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(きしめん)

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(刺身定食)