第62期王将戦七番勝負第5局 Feed

2013年3月 7日 (木)

74
図は11時50分頃の局面。
渡辺竜王は▲3三歩のたたきに△同角と応じました。

Img_3458
控え室では立会人の佐藤義則八段が関係者と継ぎ盤を挟んで検討している。
「△3三同桂には▲4一銀で危険と見たんですかね。△3三同角で後手はしばらく丁寧に面倒を見るつもりでしょう」とのこと。

▲4一銀は次に▲3二銀成△同玉▲2一銀の狙いで、△3一金に寄せ切れるかどうかの勝負になります。

Img_3435
(銀波荘売店に飾られている扇子。過去に行われたタイトル戦のものが全てあるようだ)

Img_3438
(佐藤王将が名人に挑戦と二度の防衛戦に臨んだ際の扇子)

10時30分、対局室におやつが運ばれました。
注文は両者ともにフルーツ盛り合わせ(リンゴ・キウイ・ミニケーキ付き)とホットコーヒーです。

Img_3428
(佐藤王将のほうは小倉ケーキ付き)

Img_3432
(渡辺竜王はミルクレープ)

Img_3413
10時頃、控え室では大盤解説会を控えた真田圭一七段と中村桃子女流1級が検討しています。
「封じ手の△5六歩は、単に△4六歩だと▲8三銀~▲7四歩嫌だったのではないでしょうか」と真田七段。△5六歩に▲同金は△9六歩▲同歩△9八歩▲同香△9七歩▲同香△同角成▲同桂△9六飛(参考図)と走った手が金桂両取りの十字飛車になります。先手の▲7六歩は十字飛車の筋を遮ってから▲5六金と取る狙いですが、▲7六歩と打たせれば▲8三銀~▲7四歩の筋がありません。

071019_2

「しかし先手も▲5六金と歩を払う目標ができたことで、指し方としては分かりやすくなりました。封じ手予想の段階では後手持ちの印象でしたが、現局面は再び互角の印象です」(真田七段)

Img_3416

Img_3410
(開封された封じ手)

Img_3321
(8時46分に渡辺竜王、48分に佐藤王将が入室した)

Img_3344
(佐藤王将が駒を取りだし、1日目の手順が再現される)

Img_3387
(渡辺竜王はスッキリとした表情に見えた)

Img_3388
(8時58分、佐藤義則八段が封じ手を開封)

Img_3405

Img_3369

Img_3396
(8時59分、渡辺竜王が封じ手△5六歩を着手)

Img_3403
(2日目の対局が開始された)

58
立会人の佐藤義則八段が開封し読み上げた封じ手は▲5六歩。
前日の予想になかった一手に対局室の緊張感は一気に高まりました。

――棋譜コメントより抜粋――
封じ手は△5六歩。△5四歩という予想はあったが、△5六歩は耳にした記憶がない。この手は佐藤も読み筋になかったかもしれない。控室では「再開早々、長考になりそうだ」との声が出ている。
「誰も言ってなかったですよね。こんなことがあるんですか。△5六歩は攻撃的な手で、△5二飛と回る手を見せています」(真田圭一七段)
▲5六同金は金が囲いから離れるうえ、△9六歩▲同歩△9八歩▲同香△9七歩▲同香△同角成▲同桂△9六飛が桂と金の両取り。そう進んでは先手まずいだろう。
対局室にいた記者の一人は「△5六歩の瞬間、佐藤王将の顔が『うっ』となったように見えました」と語る。今日の蒲郡も快晴だが、盤上の雲行きはきわめてあやしくなってきた。

Img_3400
(封じ手が着手された直後の様子)

【現地大盤解説会】

第62期王将戦七番勝負では、対局場施設にて大盤解説会を開催いたします。
現地ならではの、臨場感溢れる解説です。ご来場をお待ちしております。

■日時
  
  3月7日(木)11時~終局まで
■会場
  旬景浪漫銀波荘「コンベンションホール(2階)」
■解説者
  真田圭一七段、聞き手:中村桃子女流1級
■入場料
  2000円(お茶菓子付き)  
■お問い合わせ先
  旬景浪漫銀波荘 TEL:0533-57-3101
■詳細は下記ページをご参照ください
  http://www.shogi.or.jp/topics/2012/12/post-662.html#62-05

【東京・将棋会館大盤解説会】

■日時
  3月7日(木)17時~終局まで(16時半会場)
■会場
  東京・将棋会館2階研修室
■解説者
  高橋道雄九段、聞き手:香川愛生女流初段
■料金
  一般:2000円
  60歳以上・支部会員・学生・女性・身障者:1500円
  ※途中、次の一手の出題あり(正解者には呈賞)
  ※道場入場者は当日の手合カード掲示で500円割引
  ※次の一手終了後の入場は500円割引
  (割引サービスの併用はできません)
■お問い合わせ
  日本将棋連盟道場 TEL:03-3408-6167(道場直通)
  ※当日の「手数」、「対局終了時間」、「指し手の内容に関しての質問」等にはお答えしかねますので何とぞご理解をお願いします。
■詳細は下記ページをご参照ください
  http://dojo.shogi.or.jp/event/index.html

【関西将棋会館大盤解説会】

■日時
  3月7日(木)17時~終局まで
■会場
  関西将棋会館4階多目的ホール
■解説者
  淡路仁茂九段 聞き手:室谷由紀女流初段
■料金
  一般:1500円
  65歳以上・支部会員・学生・女性・身障者:1200円
 ※道場入場者は500円割引(割引サービスの併用はできません)
■お問い合わせ
  関西将棋会館 TEL:06-6451-7272
■詳細は下記ページをご参照ください
  http://www.shogi.or.jp/kansai/club/kaisetsukai.htm

おはようございます。
第62期王将戦七番勝負第5局、封じ手開封は9時頃の見込みです。
渡辺竜王が一気に決着を付けるか、佐藤王将が踏みとどまるか、2日目の戦いにご注目ください。

Img_3300
(今朝の蒲郡は暖かく、春到来を告げる上天気)

2013年3月 6日 (水)

控え室の封じ手予想は△6四歩で見解が一致しています。
ニコニコ生放送の村山慈明六段も△6四歩を挙げています。

■ニコニコ生放送■
村山慈明六段>ここで封じ手になりました。私は(1)△6四歩を予想します。他には(2)△5四歩や(3)△7四銀が考えられます。(飛び入りゲストの)加藤九段も△6四歩を封じ手として予想されています。私は△6四歩と突いた局面は後手持ちです。

以下真田七段の見解です。
「△6四歩は、銀や桂の活用を狙う自然な手。放っておくと△6五歩~△6四銀とどんどん好形になるので、先手もゆっくりはできません」

また、立会人の佐藤義則八段にあえて△6四歩以外を挙げるなら、とお願いしたところ「うーん、難しいけど△1四歩と様子を見ますか。たぶん指されないでしょうが」と答えてくれました。

本日の中継はこれで終了いたします。
明日の対局再開をどうぞお楽しみに。

Img_3259
(銀波荘、対局史譜 その1)