第62期王将戦七番勝負第5局
2013年3月 7日 (木)
渡辺竜王長考
図は佐藤王将が長考で▲6七角を打ったところ。3四の地点を狙いながら自陣にも利かせる攻防手です。対して渡辺竜王は少考で△5六桂と打ち、以下▲同角△同飛成▲7九玉(次図)と進みました。
「二枚換えですが、後手は角を手に入れて攻めが切れる心配はありません」(真田七段)
「▲7九玉で次の手は△5九竜だと思います。▲8八玉のところが手の広いところで、△7九角と打って成り返るか、△3五角と打って△7九角成とするか、あるいは単に△1九竜と取っておくか。そのあたりをじっくり考えているのでしょう」(真田七段)
(92手目△5九飛で指せるとみた渡辺竜王の読みが素晴らしい、と大盤解説会で語る真田七段)
(吉田五段が解説会にゲストで飛び入り参加した。「後手がいいと思いますが、具体的にどう決めるかは難しい」とのこと)
西浦温泉 七福神
控え室は後手優勢の見解
図は15時20分頃の局面。△5九飛までの消費時間は▲佐藤6時間16分、△渡辺6時間6分。
後手から次に厳しい手はないものの、攻めて後手に駒を渡すとすぐに危険なるとのこと。また、先手が玉形を整えなおすことも難しいとのことで、控え室の見解は後手優勢で一致しています。
「▲4六角と打ちたいのですが、△5八飛成▲7九玉△6七桂▲同金△7八歩▲8八玉△6七竜▲7八金△4七竜(参考図)と角取りの先手をとられて、次の△8五歩が厳しそうです。▲4六角には△5七桂(詰めろ)も見えますが、▲4七角と受けられて容易ではありません」(真田七段)
(15時25分頃の控え室。吉田正和五段が来訪し検討に加わりました)
(こちらは到着直後の吉田五段。キリリと引き締まった表情)