2025年1月

2025年1月24日 (金)

前夜祭はザ・サウザンド京都1階「花鳥」の間で行われました。

Zennya01 (両者登壇)

両者が入場すると主催者挨拶がありました。

Zennya02(藤井剛・毎日新聞社事業本部長)
「第2局が行われます伏見稲荷大社は、全国各地で親しまれている最も身近な神社『おいなりさん』の総本宮だそうです。そのような場所で王将戦を開催できることを主催社としても非常にうれしく思っております。また明日からの2日間、熱い対局が行われることを期待しております」

Zennya03 (山科武司・スポーツニッポン新聞社取締役)
「王将戦は八大タイトルの中でも古い歴史を持つタイトル戦なのですが、案外京都では開催しておらず、1965年に第14期をやって以来のことになります。スポーツニッポン紙はネット、新聞、すべてのところを通じて報じてまいりますので、棋士の勝負だけでなく、人柄、好みが分かるものになれば将棋を盛り上げる一助になると思っています」

Zennya04(井上慶太・日本将棋連盟常務理事)
「藤井王将と永瀬九段は本当にライバルと言いますか、認め合っている仲だと思いますし、『棋は対話なり』という言葉がありますけど、このおふたりは本当に重厚な対話、戦いを繰り広げられております。2日制の対戦は初めてということですが、この第2局でも濃厚な戦いが繰り広げられるのではないかと思っています」

(書き起こし:夏芽)

両対局者は伏見稲荷大社に着くと、検分に先立って本殿を正式参拝し、千本鳥居で記念撮影に臨みました。

Sanpai01_2 (本殿に案内され)

Sanpai02 (清めていただく)

Sanpai03 (ともに玉串を捧げた)

Kinen01 (続いて千本鳥居を背景に記念撮影)

Kinen02 (鳥居の中に入ってもう1枚)

15時30分過ぎから検分が行われました。

Kenbun01 (盤上に駒を散らす藤井聡太王将)

Kenbun02 (駒の感触を確かめる永瀬拓矢九段)

Kenbun03 (両対局者から飲み物等についてリクエストがあった)

Kenbun04(照明や空調などは問題なし。検分は5分ほどで終了した)

藤井聡太王将(七冠)に永瀬拓矢九段が挑戦するALSOK杯第74期王将戦七番勝負(主催:毎日新聞社、スポーツニッポン、日本将棋連盟、特別協賛:ALSOK、協賛:囲碁将棋チャンネル、立飛ホールディングス、inゼリー、MEITETSU)は藤井王将が先勝。第2局は京都市伏見区の伏見稲荷大社で1月25日(土)から26日(日)にかけて行われます。先手は藤井王将。立会人は久保利明九段、副立会は高見泰地七段、観戦記執筆は関口武史指導棋士五段、記録係は横山友紀四段がそれぞれ務めます。持ち時間は各8時間。対局開始は9時。1日目は18時を過ぎると手番の棋士が次の手を封じます。

Inari01(伏見稲荷大社)

棋譜・コメント入力は夏芽、ブログは飛龍が担当いたします。どうぞよろしくお願いいたします。

2025年1月13日 (月)

Dsc_2485(感想戦の様子)

Dsc_2266(本譜の指し手を並べる藤井王将)

Dsc_2381(笑みを浮かべる永瀬九段)

Dsc_2322(穏やかな表情を見せる藤井王将)

Dsc_2451(感想戦で検討に打ち込む永瀬九段)

Dsc_2273(感想戦を見守る森内九段、神谷八段、記録係の伊藤明女流初段)

本局の中継は以上です。ご観戦いただき、ありがとうございました。第2局もよろしくお願いいたします。

Dsc_2175(多くのファンが両対局者へスマホを向けてシャッター音を響かせる)

Dsc_2187(感想を語る藤井王将。右は大盤解説に参加した八代弥七段)

Dsc_2192(マイクを手にする藤井王将)

Dsc_2215(右から永瀬九段、立会人の森内九段、大盤解説で聞き手を務めた脇田菜々子女流初段)

Dsc_2241(ファンに感想を語る永瀬九段)

Dsc_2068(多くの報道陣が対局室に詰めかけた)

Dsc_2074(幸先良いスタートを切った藤井王将)

【藤井王将のコメント】
――振り駒で後手番になり、相掛かりを追随しました。
藤井 戦型はいろいろ考えられるかなと思っていました。序盤で▲1六歩(9手目)と△1四歩(10手目)の交換が入ったんですけれども、▲1五歩(27手目)と仕掛けられてしまったので、端攻めにどう対応するか難しい展開になってしまいました。

――永瀬九段の封じ手は▲7七桂(47手目)でした。1日目終了時点での手応えはいかがでしたか。
藤井 端をどういうふうに受ければいいかわからなくて。本譜はだいぶ自玉が薄い形になってしまったので自信がない展開かなと思っていました。

――2日目の昼食休憩のあたりはいかがでしたか。
藤井 ▲6五桂(51手目)から▲4五桂(53手目)とされて、△2三金(54手目)と寄ったところは攻め筋がいろいろありそうで、かなりイヤな感じになってしまったかなと思っていました。

――△6五桂(66手目)~△5五香(68手目)と反撃に転じたあたりから形勢の回復を感じられたのでしょうか。
藤井 ▲5三桂右成(57手目)のときに△同銀と取るべきだったかなということは思ったのですが、本譜も攻め合いの形になって楽しみが出てきたのかなと思っていました。

――△2三金(54手目)は1時間30分の長考になりました。長考の中身について教えてください。
藤井 ▲3四香(49手目)と打ってから▲6五桂~▲4五桂といきなり攻め掛かってこられる手に気づいていなくて。△2五角が第一感でしたが、そのあと攻め倒されてしまいそうで。△2三金も本譜の▲7一角(55手目)のほかに▲1二角や▲3三歩など攻め筋があって、どれか倒されてしまってもおかしくないかなと。持ち駒を増やしてどこかで反撃に出る機会がくればと思っていました。

――1三の金が最終的には中央に活用できました。そういったことも見据えての読み筋だったのでしょうか。
藤井 受け止めるということは難しくなってしまったような感じがしたので、駒の効率を上げて何とか勝負できる形を作れればと思っていました。

――勝ちを意識したのはどのあたりですか。
藤井 最後、△7六金(110手目)と打ったときに自玉に詰みがなければというふうには考えていました。

――一局を総括して。
藤井 かなり陣形差のある形の戦いを強いられてしまったので、序盤の細かなところに少し課題が残ったかなと感じています。

――第2局に向けて。
藤井 第2局以降は先後が決まっての戦いになるので、次に向けてしっかり準備をしていきたいと思います。

Dsc_2146(先手番で黒星発進となってしまった永瀬九段)

【永瀬九段のコメント】
――振り駒で先手となり、相掛かりを選択されました。手応えはいかがでしたか。
永瀬 ▲2六歩△8四歩にはこちらに戦型の選択権がありますので、相掛かりを選択しました。相掛かりは基本的に力戦になってしまうので、よくわからない点が多かったのですが、切らされる心配もあるので全体的には軽い将棋になって、攻めをつなげられるかどうかかなと思っていました。

――1日目、2日目のどこかで誤算があったところはあったのでしょうか。
永瀬 誤算は特にはわからないです。

――永瀬九段が攻めて、藤井王将が受ける展開になりましたが、指しやすさみたいなものは感じられたのでしょうか。
永瀬 指しやすさは特に感じなかったですが、選択権はこちらにあるような状態が長く続いたかもしれないなとは思っていました。基本的には軽い将棋ですので、切らされる心配をしながらずっと指していたので、指しやすさに結びつけられるところまでめどが立っていたわけは全くなかったです。

――一局を振り返って。
永瀬 中盤がとても難しい将棋で、封じ手の▲7七桂(47手目)と▲7七角の差がわからなかったです。△2四歩と突かれると何か決断をしないといけないので、うまく催促されているのかなと思いました。

――第2局に向けて。
永瀬 精一杯、準備をして頑張りたいと思います。

20250112112

第1局は藤井王将が永瀬九段に勝ちました。終局時刻は19時5分。消費時間は▲永瀬九段7時間57分、△藤井王将7時間58分。藤井王将が苦しい展開を跳ねのけて先勝。防衛に向けて好スタートを切りました。第2局は1月25・26日(土・日)、京都府京都市「伏見稲荷大社」で行われます。

20250113i▲永瀬-△藤井聡は、1図の△6六歩が厳しい一手のようです。玉のコビンを責める手で、以下▲5八金△6七歩成▲同金△6六歩▲同金△6五歩▲同金に△2三角(2図)が決め手の角打ちと言われています。2図で▲6七歩は△6二香が痛打になりそうです。藤井王将が勝ちに近づいているようです。

20250113j

20250113g▲永瀬-△藤井聡は▲7四馬以下、△7七歩▲6五馬△7八歩成▲同玉△4四金(図)と進みました。やはり△7七歩が厳しかったようで、図の局面は藤井王将が有利になっているようです。一時は1三に追いやられた後手の左金が、4四の地点まで活用できたのは大きいといえるでしょう。流れの悪い永瀬九段としてはここが踏ん張りどころです。

Dsc_1872(▲7四馬が緩手になった可能性が高い永瀬九段。踏ん張りどころだ)