――序盤の▲6八玉(19手目)が珍しい構想といわれていましたが。
「あ、そうですね。△3三銀(18手目)がちょっと早かったので、やってみようかなと」
――1日目が終わった段階では、どのように思っていましたか。
「ちょっと頑張りすぎたのか、そうでもないのかと。(陣形が)バラバラですからね。ただ、そういう指し方を選んだので仕方がないか、という感じで」
――2日目に入りまして、玉の近く(7筋)から攻めました。
「もう行かないと、作戦の一貫性がないので仕方がないかと」
――どのあたりでよくなったと思われましたか。
「飛車交換して、と金ができて。少しやれるかな、という感じですかね。▲8二竜と引いたところでは、と金の分だけちょっとやれるかなと」
――勝ちになったのはどのあたりだと思われましたか。
「ああ、いや、詰ますまではまだまだ大変だと思っていましたので」
【羽生名人の談話】
――後手番になって、矢倉も予定のうちだったと思いますが、相手の早囲いは予想されていましたか。
「いえ、何になるかはわからなかったです。ただ、▲6八玉に対して、どう対応するかがよくわからなかったです。ちょっと本譜の展開は危険だったかもしれません」
――1日目を終えられた段階では、どのように感じていましたか。
「ちょっと忙しい局面になってしまったかなと思って指していました。そのあと、どういう展開になるか予想できなくて。うーん、何かうまくまとめる手順がなかったですかね」
――いまの段階で、ここが悪かったというのはありますか。
「これがはっきり悪かったというのは、いまの段階ではわからないですね」
――最後の投了は、あのあたりで。
「もうちょっと早く投げようかと思ったんですけど。まあ、ここはダメだということですね」