2013年3月

2013年3月10日 (日)

対局から一夜明けた朝、主催紙写真撮影が行われました。

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(自転車は得意という渡辺新王将。「手を振ってください」のカメラマンの要望に応える)

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(西浦の海をバックにすがすがしい表情)

第62期王将戦七番勝負の中継はこれで終了いたします。
ご観戦誠にありがとうございました。来期の中継もどうぞお楽しみに。

2013年3月 7日 (木)

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(本局の棋譜)

真田七段の総評
「中盤で玉をうまく安定させた渡辺竜王の構想が素晴らしかったと思います。終盤では92手目△5九飛と打った局面が、プロの普通の感覚では甘い手で先手が優勢に見えるのですが、実際は後手が優勢でした。△5九飛で自分が優勢と判断した渡辺竜王の読みや感覚が光りました」

ニコニコ生放送 行方尚史八段の総評
「本局は渡辺竜王が細い攻めをつなげて最後は遊び駒だった7三銀まで使って寄せきりました。渡辺竜王の完勝譜でした。敗れはしましたが佐藤将棋は力強くて見ていて楽しい将棋でした。渡辺竜王の力が佐藤将棋を飲み込んだといったシリーズでした」

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(銀波荘・対局室に使われた観月の間)

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(終局直後の様子)

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(インタビューを受ける渡辺明新王将)

【渡辺明新王将インタビュー】
――1日目はどのように見ていましたか
「(相手に)工夫をされる展開だったので……、後手番なので極端に悪くならないようにと考えていました」
――封じ手の△5六歩は控え室の予想にはなかったのですが
「そうですね、△6四歩と迷ったんですけど……。ちょっと▲6五歩を突かれたところなので△6四歩はちょっとずうずうしいかと思って、やりにくかったですね」
――2日目午前中の進行については
「7三の銀が残ってしまったので、ちょっとよくわかりませんでした」
――午後は後手が攻める展開でしたが
「うーん……、(変化の中に)7三銀が使える展開が結構出て来たので、まずまず戦える気がしました」
――どのあたりで良くなったと思われましたか
「(104手目)△8五歩を突いたあたりで一手早いような気がしました」
――本局の印象をお願いします
「中盤がかなり手が広かったので、そのあたりが難しい将棋でした」
――本シリーズについて、力を出せた感じでしょか
「あ、はい。もちろんこういう結果を出せたので、満足いく内容だったと思います」
――本局の他に印象に残る将棋は
「前局(第4局)が際どい将棋でしたので、それを拾えたのは大きかったと思います」
――王将となった感想はいかがですか
「伝統のあるタイトル戦ですから、獲得できて嬉しいです」
――これで二冠となりました
「そうですね。維持できるように頑張って行きたいです」

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(力尽きた、佐藤康光前王将)

【佐藤康光前王将インタビュー】
――矢倉は予定ですか
「そうですね。矢倉でやってみようと思っていました」
――1日目はどのように見ていましたか
「角を押さえ込まれないように気を付けながらやったのですが、よくわからなかったです」
――2日目午前中の進行については
「まあ、このぐらいでしょうがないのかなと」
――午後は守勢に回りましたが
「勝負どころで最善を尽くせなかったかなと」
――どのあたりに問題があったと思いますか
「長考して(93手目)▲2四歩~▲6七角と打ちましたが、そのあたりで他の手がなかったかと」
――今期のシリーズを振り返っていかがですか
「敗れた将棋を振り返ってみると、勝負どころで最善を尽くせなかったところがあり、ファンの皆様には申し訳ないと思っています」
――今後に向けてひとこと
「結果は残念ですが、また一から頑張りたいと思います」

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両者の指し手が早くなっています。
控え室では、図の△8五歩で後手の攻めが筋に入り、勝勢とみて検討が打ち切られました。
渡辺竜王が初の王将位獲得に近づいているようです。

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(18時頃のモニター映像)

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(銀波荘対局史譜 その2)

17時になり、東京・将棋会館では大盤解説会が始まりました。解説は高橋道雄九段、聞き手は香川愛生女流初段。
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(大盤解説会の様子。高橋九段は封じ手の△5六歩を「難しい手」と評していた)
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(矢倉の大家として知られる高橋道雄九段)
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(聞き手を務める香川愛生女流初段)

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図は佐藤王将が長考で▲6七角を打ったところ。3四の地点を狙いながら自陣にも利かせる攻防手です。対して渡辺竜王は少考で△5六桂と打ち、以下▲同角△同飛成▲7九玉(次図)と進みました。
「二枚換えですが、後手は角を手に入れて攻めが切れる心配はありません」(真田七段)

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「▲7九玉で次の手は△5九竜だと思います。▲8八玉のところが手の広いところで、△7九角と打って成り返るか、△3五角と打って△7九角成とするか、あるいは単に△1九竜と取っておくか。そのあたりをじっくり考えているのでしょう」(真田七段)

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(92手目△5九飛で指せるとみた渡辺竜王の読みが素晴らしい、と大盤解説会で語る真田七段)

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(吉田五段が解説会にゲストで飛び入り参加した。「後手がいいと思いますが、具体的にどう決めるかは難しい」とのこと)

時刻は16時を回りました。対局は佐藤王将が長考中です。

西浦温泉内には各所に七福神が祭られています。今回はそのうち4カ所回ることができました。全て徒歩で行ける範囲にありますので、こちらにいらした際は是非7カ所コンプリートを目指してみてください。

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(福禄寿)

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(布袋)

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(毘沙門天)

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(大黒天)