角には角 再開後の一手は△5四角でした。56分の長考で指されています。基本的な狙いは△2七銀の押さえ込みと思われます。 (1)▲2四角は△4一玉や△5二玉と逃げられた後が問題です。△2七銀に避けるために▲2六飛と浮いたとして、△2五歩▲同飛△8五飛▲同飛△同桂が怖い変化。以下▲8二飛△7二銀▲8五飛成は△2八飛が角金両取りになります。(2)▲2四飛△2三歩▲2六飛も△4五銀▲2八角△3四銀で先手が押さえ込まれ気味です。羽生九段も図で長考に入りました。一手一手が重い将棋です。 (休憩明け直前の伊藤二冠)
対局再開 12時40分、対局が再開しました。伊藤二冠は再開の10分ほど前から盤の前で考えていました。羽生九段は入室してすぐに席を外し、しばらく戻ってきませんでした。伊藤二冠も指さずに引き続き長考しています。
昼食休憩 図の局面で伊藤二冠が34分使って昼食休憩に入りました。休憩時間は12時から40分間。消費時間は☗羽生43分、☖伊藤51分。出前の注文は、伊藤二冠が生姜焼き定食と味噌汁(ふじもと)、羽生九段がたんぱく質スペシャルボウル(Oasis)。 (生姜焼き定食と味噌汁) (たんぱく質スペシャルボウル) (休憩中の対局室) (大竹竹風作、菱湖書)
早くも決断の一手 羽生九段は▲4六角(図)と手持ちの角を投入しました。△8五桂▲8六銀(▲8八銀)に△5五角の筋を消しつつ、▲2四角の王手を狙いにしています。相手より先に角を使うことになったので決断の一手です。この手の成否が序盤の優劣を左右することになるかもしれません。 (羽生九段は先手番らしく能動的に動いている)
伊藤二冠の後手勝率 将棋は先手が少し有利なゲームであり、多くの棋士は先手勝率が後手勝率を上回ります。伊藤二冠は後手勝率のほうが高い、数少ない棋士です。先手勝率は0.701、後手勝率は0.734。今期王位戦は予選から後手番を6局指して5勝1敗。リーグ優勝の原動力になりました。 (後手番を苦にしないのが伊藤二冠の強さのひとつ)
角換わり相早繰り銀 戦型は角換わり早繰り銀です。戦型選択の最初の分岐点は5手目。最近の流行は▲7八金で相掛かりですが、羽生九段は▲7六歩で角換わりを志向しました。研究勝負の側面が強い戦型で、ベテランは避ける傾向もありますが、羽生九段はいまも最前線で戦っています。3月30日の真田圭一八段戦(棋王戦予選)では、80手台まで前例のある将棋を指していました。さて、図では▲6六歩や▲5八玉もよく指されていますが、羽生九段は▲3五歩と積極的に仕掛けました。前例は15局。古くからある形ですが、宮嶋健太四段が2025年から5局も指して注目されている形です。 (初手▲2六歩) (2手目△8四歩)