検討風景3 時刻は17時をすぎました。手数は39手、スローペースです。中村太地八段が控室を訪れました。羽生九段とは、八王子の将棋道場「八王子将棋クラブ」の先輩、後輩の間柄です。中村太八段は「時間がたつと先手がよくなりそうなので後手は動きたい。具体的には△6五歩と突けるかどうか」と話しています。羽生九段も△6五歩の成否を考えているのか、図で時間を投入しています。 (控室で検討する中村太地八段)
天井カメラの映像 16時34分、天井カメラの映像です。両者とも体を前後に揺らし、読みふけっています。本格的な戦いに入る直前の難しい局面です。先手からすれば、後手がいつ攻めてくるかもわからない。後手からすれば、開戦で誤った判断をすると押さえ込まれかねない。盤をはさんでのせめぎ合い。精神的なタフさも求められそうです。 (佐々木七段が37手目▲6六歩を指した局面)
佐々木七段、55分の長考 図の局面で佐々木七段は55分考え、▲6六歩としました。△6五銀を消しています。後手は32手目△4五歩▲同歩から攻めの態勢作りを始めているので先手は1歩得。後手の動きを押さえることができれば歩得の分だけ有利になります。一方で消費時間は、▲佐々木3時間11分、△羽生2時間6分(持ち時間は各4時間)。佐々木七段は残り1時間を切り、羽生九段とは1時間以上の差がつきました。実戦的に1時間は大きな差です。形勢は何ともいえません。 (▲6六歩に55分。勝負を懸けた長考だったかもしれない)
検討風景2 飯島八段はABEMAのスタジオに移動。入れ替わりで高見泰地七段が控室へ。高見七段と佐々木七段の親交はよく知られています。コロナの規制が緩和され、検討風景もかつての姿に戻りつつあるのかもしれません。 (高見七段) (検討に熱が入る田中寅九段。中腰で駒を動かしている)
検討風景1 飯島栄治八段と本田小百合女流三段も控室を訪れています。飯島八段はABEMAの解説担当ですが、休憩時間の合間に顔を出してくれました。実戦は△4五歩▲同歩に△4三銀と進行。一気に攻め込むのではなく、じっと力をためる△4三銀は「予想もしていなかった」と検討陣は驚いていました。 (ABEMAで解説役を務める飯島八段。相掛かりは得意戦法のひとつ) (本田女流三段は田中寅九段と検討を進める)