第61期王位戦七番勝負第3局 Feed

2020年8月 5日 (水)

2020080497藤井棋聖が厳しい香を放ちました。△8四同飛は▲6六角が、次の▲4三歩成の開き王手を見せつつ、飛車に当てた絶好の角打ちになります。

Img_5875(藤井棋聖は痛打を用意していた)

2020080489木村王位の考慮が続きます。角成りを受けて△4二歩は、▲3七角が7三の桂取りと1三の銀取りになり、処置が難しいです。木村王位は受けをひねり出し、反撃の糸口を見つけたいところです。
17時10分頃、25分の考慮で△6二銀で、▲5一角成と▲3七角を受けて辛抱しています。
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本局の記録係は井田明宏三段が務めています。
第61期から三段リーグに参加。毎年安定して好成績を収めており、前期三段リーグでは自己最高の13勝を挙げました。
王位戦七番勝負での記録係は第58期(2017年)の第4局(▲菅井竜也七段-△羽生善治王位戦、肩書は当時)以来となります。

Img_5812(2日目対局開始前に、丁寧に駒を磨く)

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Img_5817(2日目対局開始前には、記者に局面の見解を示した)

2020080483_2控室では先手の攻めが厳しいのではないか、との声が聞かれます。上図から△3五歩▲5三桂成△同金に▲1五角が絶好の飛び出しで、次に▲3三角成△同金▲1三香成で後手陣が崩壊します。
藤井棋聖の切れ味鋭い攻めが、的確に後手陣の急所を突いているようです。
この手で藤井棋聖の残り時間が1時間を切り、58分になりました。対する木村王位は1時間15分を残しています。

Img_6034(先手が指しやすい局面になっている)

2020080470_2木村王位は1時間4分の長考で、△3五同歩と応じました。控室では△6五桂の攻め合いが考えられていましたが、▲6六銀△8六歩▲同歩△同角▲同角△同飛▲8七歩△8五飛に、▲6四角(変化図)が切り返しで後手の指し手が悩ましいとされていました。
△3五同歩にも触れられており、王位の棋風なら考えられる、との声もありました。「受け師」の本領発揮となるでしょうか。
2020080479Img_6045(木村王位は堂々とした態度)