第57期王位戦七番勝負第1局 Feed

2016年7月 6日 (水)

52図は11時10分頃の局面。先手は銀桂と角の2枚換えで駒得を果たしました。対する△4四角は▲3五飛を防ぎつつ△9九角成を狙っています。先手が攻めて、後手が受けながら反撃を狙う展開。両者の持ち味が出て、ここがまさに勝負どころ。そろそろ形勢が動きそうです。

【ツイッター解説より】
大平武洋六段>挑戦者らしい全力ブロックの一手です。▲2三歩成の筋を絡めての攻めが怖いですが、しのげると見ているのでしょう。△9九角成は大きい一手なので、▲同飛と切るか▲8八銀と受けるか。(後手やや有利)

Img_33482枚換えを甘受して受けに回った木村八段(2日目朝の表情)。

木曽川沿いにある犬山城は、天文6年(1537)に織田信長の叔父、織田信康によって建てられたとされています。現存する日本最古の天守とされ、現存天守12城(江戸時代以前に建設され保存されている天守)の1つであり、国宝に指定されています(日本で国宝に指定されているのは5城のみ)。

Img_3137木曽川から臨む犬山城。

Img_3251正面から。

Img_3283中に入ると、まず石垣が目に入る。

Img_3282急な階段を上る、というより登る感じで最上階まで上がれる。

Img_3259城内には各種展示物も。

Img_3267最上階から臨む犬山市街。

Img_3276同じく木曽川。

45飲み物が運び込まれてすぐ、羽生王位は角交換から▲5六角と据えました。控室では予想されていなかった変化ですが「羽生さんは、これで指せると見ているんじゃないかな」と石田九段。
▲5六角までの消費時間は▲羽生4時間17分、△木村4時間34分。

Img_342810時頃の控室。石田九段が身を乗り出して検討に参加している。左奥は本局の観戦記を担当する鈴木宏彦さん。

【観戦記のお知らせ】
本局は北海道新聞・東京新聞・中日新聞・神戸新聞・徳島新聞・西日本新聞の各紙上において、鈴木宏彦さんによる観戦記が8月27日より掲載されます。詳しくはそちらもあわせてご覧ください。

9時56分頃、対局者におやつが運ばれました。注文は飲み物のみで、羽生王位は「グレープフルーツジュース」、木村八段は「アイスコーヒー」です。

Img_3424グレープフルーツジュース。

Img_3427アイスコーヒー。

41封じ手の▲7五歩に木村八段は△7五同歩と応じます。そこで▲8六飛とすれば、前例と合流するところでしたが、羽生王位は▲7四歩と別の流れに進めました。
この手は控室で石田九段が予想していました。
「さすが石田先生ですね。前例があるので▲8六飛を本命と見ていましたが、初見の局面と思って見れば▲7四歩は自然ですね」(北浜八段)


実戦は図から△6五桂と進んでいます。

Img_3416封じ手。

Img_3417封じ手の封筒。