第53期王位戦七番勝負第5局 Feed

2012年8月21日 (火)

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前夜祭終了後、19時35分より盤駒、対局室の検分が行われた。

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駒は関西将棋会館から運ばれ、盤は「渭水苑」所蔵のものが使用される。思わず立会人の大内九段も「見事な盤ですね」と声を上げる。

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封じ手は自身の控え室で行うことやお手洗いの場所などが確認され、検分は7~8分で終了した。

(吟)

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羽生王位挨拶

今年の夏は大変暑いですけれども、王位戦は7月に開幕し、全国各地を回っております。徳島は毎年王位戦を開催してくださいまして、地元の皆さまにも厚く歓迎していただき、とても嬉しく思っております。
今回は藤井さんとの七番勝負ということで、非常に序盤から緊張感のある内容が続いています。2日制の長丁場ではありますが、最初から自分なりに充実させて、面白い将棋が指せればいいなと思っています。
また明後日はこちらで大盤解説会が開かれるということですので、来ていただいた方々が興奮するような将棋にしたいです。

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藤井九段挨拶

みなさん、こんばんは。このような盛大な前夜祭を開いていただきまして、ありがとうございます。
王位戦の番勝負に出るのは今回が初めてですが、徳島は8年前の王位戦で解説者で来ていますので2回目になります。今回は対局者として来る事ができて、とても光栄に思っています。
今回の七番勝負は、王位戦は初めてということもありますので、毎局新鮮な気持ちで対局しようと心がけています。これで5局目になりますが、また新たな気持ちで将棋を指したいと思います。

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大内九段による見どころ解説

初めて徳島県に来たのはいつかなと考えていましたら、もう何回も来ているのですが、最初は50年前のことですね。
大阪で対局があったのですが、その将棋を負けまして「このまま東京に帰っても意味ないわ」と思い、和歌山県に出てから小松島というところまで船で行きました。今あるかは分かりませんが、当時はさらに足摺岬まで船があり、10時間くらい夜行の船に乗ったんです。
もう50年前、我ながら随分と年をとったなと感じ入りました。羽生さんと藤井さんはまだ41歳ですからね。うらやましいですね。私も41歳のころがありまして、そのころは威勢がよかったんですけれども、もう70歳を過ぎました。
昔なら人生50年ということでこの世からおさらばしていますが、いまは長寿の時代ということで70歳はまだ小僧と見られます。私ももう一旗あげたいと思っていますが、私は2年前に現役を退きまして、普及など将棋連盟のためにと活動をしています。

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先ほど、第5局の観戦記を担当される、神戸新聞出身の中平邦彦さんとお話しました。素晴らしい文章を書かれる方です。中平さんも神戸新聞を卒業されて、「いまがちょうどいい」とおっしゃるんですね。私もそう思っていました。仕事は月に、多くて10日ほど。だいたいは7日くらいで、あとの20日から23日は自分の時間を謳歌しております。それがなんとも心地いいんですね。まあ仕事全部やめたらダメになっちゃうよと中平さんとも話したんですが、いまは非常に充実した気持ちでいます。それから将棋の見方が、現役のときとは変わりました。客観的に見られるようになりました。羽生さんはもちろん防衛を目指しますし、藤井さんも「このまま負けたら、なんのために出てきたのか」となり悔しいでしょう。私見ですが、藤井さんが勝っていたのではという将棋もいくつかありました。
明後日の大盤解説会は、武市三郎六段が担当します。これを一日じっくり見たら香車一本強くなります。香車一本は二段に相当しますので、これまでライバルだった人には7対3で勝てるようになると私が保証します。お誘い合わせのうえ、ぜひお越しください。

(文章書き起こし・烏、写真・吟)

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前夜祭会場へ姿を見せた両対局者と立会人の大内九段、副立会人の武市六段、現地大盤解説聞き手を務める長谷川優貴女流二段。

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主催者挨拶は植田和俊徳島新聞社理事社長。

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棋士を紹介するのは徳島出身の武市六段。

(吟)