第52期王位戦七番勝負第2局 Feed

2011年7月27日 (水)

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図は広瀬が▲4六銀と詰めろをかけたところ。
次に▲5五金の一手詰となっているが、ここで△5五桂(参考図)があるようだ。
これは詰めろを受けつつ次に△5八銀の反撃をみた一手。先手玉に詰みはないものの、△5八銀▲4八玉(▲同玉は△6七と以下)△4七桂成▲3九玉△4六成桂と先手の要の銀を外す手がある。

控室の検討では、先手の明快な勝ち筋はまだ発見されていない。


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【Twitter解説】

阿久津七段 >
△5五桂という手が利けば、後手が優勢でしょう。▲1五竜と角を取ると△5八銀(▲同玉は△6七と以下で詰み)▲4八玉△4七桂成▲3九玉△4六成桂と銀を外します。
ただ、△5五桂と打つ手には▲7七金寄とすればギリギリ先手が勝っている感じもしています。


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(騒然とする控室。「どっちが勝ちかわからんようになってきた」と内藤九段)


(若葉)

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先手勝勢と言われていたが、△7七銀の王手をかけてから△1五角が粘りある手順。
先手玉をにらみつつ、▲2四竜からの詰めろを防いでいる。

ここで▲7七桂と質駒の銀を取る手が詰めろなら話が早いが、寄せ損なうと逆転。細心の注意が必要だ。
▲5六歩も次に▲5五金をみた詰めろだが、△2八角が攻防の一手となりこれも難しいようだ。

現在は広瀬が慎重に寄せを読んでいる。


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(若葉)


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先手がどう寄せるか、という局面。
広瀬の着手は上部脱出を防ぐ▲3五歩だった。
控室で酒井七段が指摘していた寄せの決め手だ。
▲2三竜△4四玉▲2四竜△5五玉▲5六金打△同金▲同金までの詰めろとなっているが、後手は受けが難しい。

ここでは▲3五金と打ちたくなるところだが、△3四銀で紛れるという。
金をトドメに置いておくのがうまい寄せ方のようだ。


【Twitter解説】

阿久津七段 >
▲3五歩と歩を打ちました。この手が決め手ですね。それにしても広瀬王位の寄せは速いですね。


(若葉)

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「こうしたら寄ってるんちゃうか」

内藤九段が軽やかな手つきで桂馬を成ったときだった。
モニターから甲高い駒音が響く。

▲5一桂成。
これが広瀬用意の一手だったようだ。
この局面は▲4三金までの詰めろだが、△同玉と取るのも▲4一竜で詰んでしまう。

終局近しの雰囲気が控室に流れている。
関係者の動きが慌ただしくなってきた。


(若葉)

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時刻は16時を回った。
長考を続けていた広瀬の手がようやく動く。
▲6五銀と桂馬を入手し、△同銀に▲2一飛成。控室で検討されていた攻め筋だ。
控室ではこれで先手が攻め切れるとみられている。
読み勝っているのは広瀬と羽生、どちらだろうか。


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(控室の入り口にさりげなく花が生けられていた)


(若葉)