2026年9月

2026年9月10日 (木)

伊藤園お~いお茶杯第67期王位戦の中継は、これで終了します。ご観戦いただき、ありがとうございました。来期の予選はすでに開始されています。第68期の七番勝負もどうぞお楽しみに。

Dsc_7633_3874(故・原田泰夫九段の『堂々と勝ち 堂々と負ける』。原田九段は書家としても知られ、字の重さ・軽さを整えてバランスをよくしている。例えば「堂」の書体を使い分けているのが工夫のひとつだ。本局は両者の力がぶつかり合い、まさに堂々たる勝負であった)

【YouTube「中日新聞 東京新聞 将棋<公式>」:「10年前の自信はないが…」7連覇 藤井聡太王位<一夜明け会見>】
https://www.youtube.com/watch?v=UJ0iqSEAAEY

Dsc_7608_3868(陣屋の女将・宮崎さんから花束贈呈)

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Dsc_7620_3871(防衛を受けて、記者会見が行われた)

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会見は30分ほどでした。伊藤二冠を迎えてのシリーズについて、一部をまとめます。
「2日制で対戦するのは非常に久しぶりで、楽しみな気持ちもあった。終盤を迎えても先が見通せないような将棋があり、経験が少なかったので、勉強になって充実感があった。伊藤二冠は研究が深いので遅れを取らないように、またこちらがミスをしてそのまま崩れてしまうこともあったので最後まで粘り強く指すことを意識していた」

詳しくはYouTube「中日新聞 東京新聞 将棋<公式>」もご覧ください。

【YouTube「中日新聞 東京新聞 将棋<公式>」:「改めて将棋の難しさを実感」7連覇 藤井聡太王位<記者会見>】
https://www.youtube.com/watch?v=HyroVWSA_Kc

2026年9月 9日 (水)

感想戦は1時間ほど行われました。控室の見解は終盤でも二転三転していましたが、対局者も形勢判断がつかない場面もあったようです。両対局者は疲れを感じさせず、最終盤までみっちり検討していました。

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感想戦の前に、両対局者は別棟で行われていた大盤解説会に出演しました。
藤井王位は「今回のシリーズは難解な将棋が多くあった。この経験を生かして成長していけるように頑張りたい」、伊藤二冠は「シリーズを振り返ると自分の力を出し切れた部分もあったかなと思いますし、差がついてしまう将棋もあったので、全体的に力が足りなかったと受け止めている。もう少し読みの精度を上げて挑んでいけたらと思います」と挨拶しています。

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【YouTube「中日新聞 東京新聞 将棋<公式>」:「成長していけるように」藤井聡太王位 伊藤匠二冠<大盤解説会挨拶>】
https://www.youtube.com/watch?v=lnoC0IegieU

Dsc_7507_3853(終局直後)

Dsc_7520_3854(藤井王位が大熱戦を制し、7連覇を達成。対伊藤のタイトル戦の悪い流れを止めた)

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Dsc_7535_3857(敗れた伊藤二冠。フルセットに持ち込めなかった)

【藤井王位のインタビュー】
――▲4六角に1時間22分考えて、△4五角と打って激しい展開になりました。この辺りから振り返ってください。

藤井 ▲4六角と打たれて、この対応が悩ましいところかなと思ったんですけれど。△4五角か、△3六角と打つ手もあるかなと思いましたが、そこの選択によってかなり異なる展開になりそうだったので、長考になりました。ただ、本譜は▲5六銀から▲2四歩と突かれて、思ったよりもこちらの大駒が働いていない形という気がしたので、進んでみると自信がなくなってしまったと感じていました。

――封じ手の辺りはどうでしたか。

藤井 先手に厚みを築かれて少し苦しいかなという感じがしたんですけれど、本譜は攻め合いに持ち込む方針でした。ちょっと自信がなかったんですが、何か勝負する順を見いだせればと思っていました。

――▲7四銀打の飛車取りに構わず△4六歩と攻め合いましたが、形勢判断は?

藤井 ▲7四銀打に△同銀▲同銀△8二飛だと、どんどん厚みを築かれてしまうと思ったので。△4六歩は相当な駒損になるので、少し苦し紛れかなという感じはしたんですけど。一瞬、玉が少し寄りづらい形ではあるので、その中で何かをうまく突く展開にできればと思っていました。

――その後、伊藤玉が中段に上がっていくような展開になり、△4五金と上部開拓を阻止する辺りの攻防は非常に見応えがありました。終盤はどう考えていましたか。

藤井 △4八歩から△7八銀と打って、楽しみも出てきたのかなという感じがしたんですけれど。△4九歩成が少し甘い手で、先に△8九銀不成と取らないといけないのかなと思っていました。(先手)玉が上に出てくる展開になって、こちらの攻め駒が小駒だけでかなり細い形なので、プレッシャーを与える形を続けられるかどうかかなと思っていました。

――先手が▲4五馬から厳しく迫っていき、▲2四歩に△1三桂と跳ねて切り返しました。

藤井 ▲4二金と打たれて、負けてもおかしくないかなと思いながらやっていました。▲2四歩が予想しない手でしたけど、△1三桂と跳ねるか△4七角と打つかは判断がつかずというところがあって。先手玉に中段に泳がれてしまう形になったので、また失敗してしまったかなと感じていました。

――最終盤はいかがでしたか。

藤井 ▲4四飛から▲4二金は軽視していて負けにしてしまったかなと思いましたが、△1二玉と上がった形が思いのほか耐久力があったので、意外と反撃のチャンスがまた回ってくる可能性はあるのかなと感じていました。

――本局全体を振り返ってください。

藤井 全体的には押さえ込まれて苦しい将棋で、どう勝負していくかという感じだったかなと思います。終盤はずっと急所がつかめないままという感じで、全体的には非常に難しい将棋だったかなと感じています。

――7月から始まった七番勝負でした。シリーズを通して振り返ってください。

藤井 本局もそうですけど、終盤までなかなかその先が見通せないというような将棋が多くあって、非常に難解な将棋が多かったかなと思います。そういった将棋を指すことができて、自分としても得られるものが多いシリーズになったのかなと感じています。

【伊藤二冠のインタビュー】
――▲4六角、△4五角を打ち合った辺りの進行はいかがでしたか。

伊藤 ▲6六銀と出た辺りから時間を使う感じになりました。一手一手悩ましく、いくつか選択肢がある展開かなと思っていました。▲7五銀から▲7六歩は、あんまりよい手順はなかったと感じていて。封じ手の△4五銀は、△4五銀自体は常に警戒すべき手かなとは思ってたんですけど、このタイミングを軽視していて結構、自信がない局面になってしまったかなと感じていました。

――△4五銀の直後、1時間41分の長考になりました。

伊藤 ▲2四角と王手で出られるタイミングなので、ちょっと軽視してしまったんですが、△3三歩と受けられて……。▲3五角に対して、△2七歩から連打されるのも気になっていましたし、局面に自信が持てないかなと感じながら指していました。

――▲7四銀打の飛車取りに構わず、△4六歩で攻め合いになりました。

伊藤 △4六歩もひとつ考えられる手かなとは思っていて、結構嫌ではあったんですけど。飛車得ではあるので、形勢は難しくてもおかしくないかなと思っていたんですが。その後の対応があんまりよくなかったのかなという気がしています。△7七歩を打たれた局面も誤算があって、自信がないかなと感じながら指していました。

――ということは、▲6七歩と受けた辺りに誤算がありましたか。

伊藤 そうですね。△7七歩に▲同桂とか取れるつもりだったので、△3九銀と打たれる手がかなり厳しいので、そこに誤算があったのはかなり読みが甘かったなと感じていました。

――そのあとは中段玉で粘る展開になりました。

伊藤 玉が泳ぐ展開になって少しずつ楽しみが出てきたかなという気もしていたんですけど。終盤は一手一手悩みながら指していた感じでした。少しチャンスがありそうな局面もあったと思うんですけど、具体的にはわからないまま指していました。

――▲4五馬と切ったところの見通しはどうでしたか。

伊藤 代わる手もわからなかったので、踏み込んでいったんですけど。▲2四歩はかなりまずい手だったので、▲4二金から清算する順を選ぶしかなかったかなと思いますね。その順をそこまで勝ってるという気もしなくて選べなかったんですけど、そうやるしかなかったなと。

――△1三桂と跳ねられた辺りは。

伊藤 △1三桂と跳ねられた後もわからないまま指していたんですけど、最後△1二玉と上がれるのをうっかりしていたので、そこまでいくと負けになっているかなと。

――一局全体を振り返ってください。

伊藤 相早繰り銀の非常に複雑な将棋になって、読みの精度を欠いた部分もあったかなとは思うんですけど。かなり終盤まで難しい局面が続いたので、最後にもう少し何かなかったかなという気がします。

――シリーズ全体を振り返ってください。

伊藤 2日制の将棋を6局指せたことは、充実感のある時間でもあったかなと思うんですけど。少し内容の悪い将棋もいくつかあったと思うので、全体的に力が足りなかったと受け止めてます。