紅組の▲石井－△豊島戦は角換わりから相早繰り銀の将棋になりました。上図は▲１六歩に対して△５二玉と上がったところ。代えて△１四歩が多数派でした。中住まいはバランスを重視しており、△４二玉と比べて攻めの銀に対して当たりを避けています。先手も対抗して▲５八玉と上がりました。

（初手▲２六歩を指す石井七段。石井七段は▲７六歩から矢倉を目指すことも多い）

（２手目△８四歩を突く豊島九段）

紅組の▲藤本－△斎藤慎戦は先手の藤本五段が雁木を見せたところ、斎藤八段は大胆に角を天王山に飛び出しました。その後は７三に収まり、先手雁木、後手矢倉で駒組みが進んでいます。

（斎藤慎八段は大胆な角の動きで手得を図った）

図は▲森内俊之九段－△西川和宏六段戦、▲９八香を見た西川六段が３二から４二に飛車を動かしたところです。先手が居飛車穴熊を目指したのに対して後手は△４五歩から揺さぶりをかける手順を見せました。

（初めての挑決リーグで２勝目を目指す西川和宏六段）

先手の佐藤九段が３手目▲７五歩から三間飛車に振り、対抗形となりました。後手の佐々木七段は右四間に構え、10時30分過ぎ、６分の考慮で△６五歩と突きました。

（佐々木七段が△６五歩から開戦。直前まではノータイムで指し進めていた）

図は10時30分過ぎの局面です。戦型は横歩取り。後手の飯島八段が飛車先交換を保留して△５二玉と上がる工夫を見せたことで、類例の少ない将棋になっています。

（初手▲２六歩と指す羽生九段）

（２手目△８四歩と指す飯島八段）

（羽生善治九段。勝てばプレーオフに進出する）

（飯島栄治八段。リーグ陥落がすでに決まっている）

（本局は、東京・将棋会館の特別対局室で指される。ともに表情は厳しかった）