藤井王位は49分の長考で馬を上がりました。代えて△7五馬~△6六馬の筋もありましたが、本譜は△7七歩成▲同銀△6七馬▲同金右に△3四飛で銀を取る狙いです。この変化は封じ手予想時、村山八段が一案として挙げていました。
進行の一例として(A)▲1五香には、△1四歩▲同香の2手を利かしてから△7七歩成▲同銀△6七馬▲同金右△3四飛と銀を取ります。以下▲1二歩成の追撃は△1四飛で根元の香を取り払うことができ、▲2二と△同金(A図)で後手よし。
よって村山八段は「仕方ないですが(B)▲5六角だと思います」と解説します。以下△1三香のときにうまい手があるかどうかで、例えば▲2四歩△同歩▲同飛△2三歩(B図)は8四飛の横利きが通っているため▲同銀成に△2四飛▲同成銀と交換されてしまいます(7四に馬がいたときは生じない変化)。続く△2八飛で後手優勢です。
手順中の△1三香のとき、▲2四歩ではなく▲3三銀成△同銀▲2五桂や▲7四歩なども検討されましたが、どれも後手ペースと見られています。
(△8五馬が指される前の検討風景)
【藤井、熟慮の封じ手は「7四角成」 佐々木が端攻め、勝負どころに 王位戦第2局2日目|神戸新聞NEXT】
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