2022年6月29日 (水)

終局直後

Toyoshima10 (幸先よく白星発進した豊島九段)

Fujii08 (藤井王位は前期に続いて黒星スタートとなった)

Kansou01(すぐにインタビューが始められた)

――先手9五歩、後手2二玉・6一金型が珍しい。想定していたか。
豊島 ああいう形(24手目△7四歩の局面)になったら端の位を取って指すつもりで、そのあとはいろいろあるのですが、考えたことのある形でした。

――38手目△6五桂に▲同銀は珍しいようだったが、手応えは。
豊島 銀を逃げる手もあるので、いい手かどうかは分からないのですが、考えたことがありました。

――45手目▲2四桂から猛攻した手応え?
豊島 後手も気持ち悪い形かと思いました。先手の攻めも細いので、微妙なのかなと。すごくうまくいっているという感じでもないと思っていました。途中からどんどん攻めていかないと仕方がないので、決断よく指していって、もうちょっとしてから難しい局面がくるのかなと思って指していました。

Toyoshima12

――85手目▲3五歩は2時間以上の長考だった。
豊島 ▲2五桂打のような攻めだと、あまりうまくいかないのかなと。▲3五歩と突くしか仕方ないような気がしたのですが、本譜も際どいので、長考になりました。

――本局を振り返って。
豊島 攻めがつながるか微妙な形で、ずっと難しかったのかなと。△7五歩(84手目)から反撃されてこちらも玉が際どい形になったので、よく分からないまま指していたのですが、最後(101手目)▲3四歩と取り込むところでいろいろ確認して、勝ちなのかなという感じでした。

――次局、7月13日(水)~14日(木)の第2局に向けて。
豊島 少し空くので、しっかり準備をしてまた頑張りたいと思います。

Fujii10

――2二玉・6一金型について。
藤井 やってみようかなと思っていた作戦でした。

――38手目から△6五桂▲同銀の進行は。
藤井 逃げる手も本譜▲同銀も有力なのかなと思っていたのですが、そのあと▲2四桂でかなり自玉が薄い展開を強いられるので、まとめ方が難しいと思って指していました。

――45手目▲2四桂のあたりの形勢判断は。
藤井 難しいかなと思って指していました。先手からの攻めの手段もいろいろありそうで分からなかったのですが、本譜のような感じになる可能性はあるのかなと。△1四金(60手目)自体は仕方ないと思ったのですが、対してこちらから見るといろいろ気になる攻めがありましたし、本譜に進んだあとも分からなかったので、長考になりました。

Fujii11

――今朝の時点での形勢判断?
藤井 ▲2九竜(75手目)と引かれたあと、単に△1八香成とするか、△3二玉▲2五桂打(77手目)に△同歩と取るか、そのあたりの比較で何がいいか分かりませんでした。本譜はもしかしたら(79手目▲3三桂成で)銀を剥がされてしまったので、危なかったかなと。▲2九竜に何かもう少し突っ張った指し方をする必要があったかもしれないなと思います。

――84手目△7五歩について。
藤井 対して▲3五歩と突かれてみると△7六歩に▲同銀と取られてしまうので、負けにしてしまっているなと思いました。△7五歩のところで△8六歩か△1七角か、違う手段で頑張らないといけなかったかと思います。

――94手目△7七角のあたりでは苦しい?
藤井 あのあたりは負けかなと思って指していました。

――本局を振り返って。
藤井 攻め込まれてかなり怖い展開が続いて、▲2九竜のあたりは形勢としては難しいような気がしたのですが、そこから形勢を損ねてしまったのが反省点だと思います。