2019年5月22日 (水)

挑戦者決定リーグ最終戦

第60期王位戦は、紅白に分かれた挑戦者決定リーグの最終第5戦を迎えました。対局は5月23日(木)10時から、東西の将棋会館で全局一斉に行われます。紅白各リーグの優勝者は後日挑戦者決定戦を戦います。なお、4勝1敗で同星が出た場合はプレーオフが行われます。詳しくは下記の規定をご覧ください。

【王位戦のリーグ優勝者とリーグ残留者の決定方法】
リーグ戦の優勝者はリーグ戦勝敗を優先とし、同星で並んだ場合、(1)4勝1敗で並んだ場合、該当者が2名・3名に関わらずプレーオフを行います《3名の場合は、前期成績(前期リーグ勝星>前期予選勝星)でシード者を決め、1回戦は残留決定戦を兼ねる》。(2)3勝2敗で並んだ場合、3名では該当する直接対決>前期成績(前期リーグ勝星>前期予選勝星)、4名では該当する直接対決、5名では前期成績(前期リーグ勝星>前期予選勝星)で優勝者・残留者を決めます。

4回戦までのリーグ表は以下の通りです。

20190523

本日の対戦カードは以下の通りです。

【紅組】
菅井竜也七段-阿久津主税八段
木村一基九段-佐々木大地五段
稲葉陽八段-長谷部浩平四段(関西将棋会館)

【白組】
羽生善治九段-谷川浩司九段
澤田真吾六段-永瀬拓矢叡王
千田翔太七段-中村太地七段


今期の優勝争いとリーグ残留争いの状況を整理します。

【紅組優勝争い】
4戦全勝の木村九段と3勝1敗の菅井七段が優勝を争います。

・木村九段勝ち → 木村九段の優勝
・木村九段負け、菅井七段勝ち → 両者によるプレーオフ
・菅井七段負け → 木村九段の勝敗に関わらず木村九段の優勝

【紅組リーグ残留争い】
木村九段は自身の勝敗に関わらず残留が確定しています。また、菅井七段は勝てば単独2位以上となるため残留が確定します。

3勝2敗で2位に並ぶ可能性があるのは、菅井七段、阿久津八段、佐々木大五段の3人です。
・菅井七段負け=阿久津八段勝ち、佐々木大五段負けの場合
 → 菅井七段と阿久津八段が3勝2敗で並ぶが、直接対決を制した阿久津八段が残留
・菅井七段負け=阿久津八段勝ち、佐々木大五段勝ちの場合
 → 3人が3勝2敗で並ぶが、直接対決の成績が菅井七段1勝1敗、阿久津八段2勝0敗、佐々木大五段0勝2敗となるため、阿久津八段が残留

まとめると、佐々木大五段は勝っても残留の可能性がなく、菅井七段-阿久津八段戦の勝者が残留します。


【白組優勝争いと残留争い】
3勝1敗で並ぶ羽生九段、中村太七段、永瀬叡王が優勝とリーグ残留を争います。

・3人が勝った場合
パラマス式トーナメントで3者プレーオフが行われます。3人の内、唯一前期リーグに出場していた羽生九段は1回戦シードで残留確定。中村太七段と永瀬叡王のプレーオフ1回戦が行われ、その勝者は残留が確定し、羽生九段と優勝決定戦を戦います。

・2人が勝った場合
勝った2人がプレーオフに進出、同時に残留も確定します。

・1人が勝った場合
勝った1人が優勝と残留確定。敗れた2人は直接対決を制しているほうが残留確定となります(敗れた2人が羽生と中村太なら羽生残留。羽生と永瀬なら永瀬残留、中村太と永瀬なら中村太残留)。

・3人が敗れた場合
直接対決の結果は3人が1勝1敗で互角のため、前期リーグに出場していた羽生九段が優勝と残留確定となります。中村太七段と永瀬叡王の2人は、前期予選勝ち星が0勝ずつで互角のため、両者による残留決定戦を行い残留者を決めます。


【羽生九段の歴代最多勝数記録について】
羽生九段は現在、通算勝数で1432勝を挙げており、大山康晴十五世名人の持つ歴代最多勝数記録まであと1勝と迫っています。挑戦者決定リーグ最終戦に勝てば、記録に並ぶことになります。詳しくは以下のリンク(日本将棋連盟HP)をご覧ください。
https://www.shogi.or.jp/news/2019/05/1_46.html


【AbemaTV】
一斉対局のうち、白組の谷川浩司九段-羽生善治九段戦がライブ中継されます。
解説者:行方尚史八段、阿部光瑠六段
聞き手:村田智穂女流二段、飯野愛女流初段
https://abema.tv/now-on-air/shogi