2018年7月 4日 (水)

先手がさばける変化例

33図は15時過ぎの局面。豊島八段はここで長考しています。▲5四歩までの消費時間は▲菅井2時間16分、△豊島1時間39分。

控室では谷川九段と里見女流四冠が検討しています。図から△4二金寄が、次に△5二飛~△5五歩~△5四飛と歩を払う狙いを秘めた手。対して、先手は▲7五歩から手が作れるかどうかが焦点とされていました。
検討では▲7五歩△8四飛に▲4五歩△同銀▲7四歩△同飛▲7五銀△同飛▲2二角成△同玉▲5三歩成△同金▲6六角△4四角▲5三飛成(下図)の順が発見されて、これは先手がうまくさばいているとされました。途中▲7五銀が華麗な捨て駒で、さらに▲5三歩成が谷川九段のひねり出した好手。これにより最後の▲5三飛成の決め手を生み出しています。

49

Img_8293_2

15時25分頃の控室。
糸谷八段と今泉四段が戻り、先の谷川九段と里見女流四冠の検討手順を聞いて、▲7五銀以下の手順に驚愕。「△4二金寄を本命と見ていましたが、この順があるなら話が変わってきますね」と糸谷八段。あらためて検討が始まりました。

【16時追記】
検討が進み、検討陣の挙げた候補手は△5二金寄、△5二金上、△5五歩、△1四歩の4種類となりました。この中で△5五歩がもっとも突っ張った意味で、先手は▲4五歩と反発して激しい展開になるだろうと見られています。形勢判断はいまのところ互角とされていますが、ここでの選択が一局の趨勢を左右する重要な一手になると見られています。