2016年8月21日 (日)

前夜祭(6)

Dsc_7301(対局の見どころを語る森下九段、香川女流三段、豊川七段)

香川 第4局の展望を聞かせてください。

森下 羽生さんは棋聖戦五番勝負で永瀬拓矢六段に苦しめられたのですが、その若い挑戦者を倒して防衛を果たしました。王位戦も第1局を落としたものの、2連勝して盛り返しています。立会人は公正な立場なのですが、王位戦を盛り上げるためには木村さんに頑張ってもらいたいと思います。

香川 戦型はどうなるでしょうか。

豊川 第1局から横歩取り、矢倉、横歩取りときましたから、第4局は角換わりか矢倉だと思います。

香川 やはり相居飛車の将棋になるでしょうか。

森下 木村さんは振り飛車を指しません。羽生さんは飛車を振ることもありますが、基本的には居飛車党ですので、相居飛車が8割以上だと思います。

香川 木村八段の受けを羽生王位が打ち破れるか、というお話が先ほどありましたが、そのような展開が予想されますか。

豊川 唐池(からいけ)会長がそうおっしゃってましたから「からい手」が出ますね。木村さんは流血してでも相手の攻めを受け止めるでしょう。大山康晴十五世名人は「番勝負は偶数局が急所」といっていました。熱戦になるのは間違いないと思います。

香川 森下先生はどうお考えですか。

森下 木村さんは「千駄ヶ谷の受け師」ですからね。しかし、私がそうなんですけど、歳をとってくると受け続けるのがつらいんですよね。もう1手受けておけば、というところで攻めてしまう。

香川 受けは力がいりますし、体力も必要ですよね。

森下 根性がいりますよね。最後にひと言。私は北九州市の出身なのですが、北九州の小学生は「1901年に八幡製鐵所の第一高炉に火が入って、日本の近代化が始まった」と教わります。日本の礎を築いた北九州ということですが、さらにその礎として飯塚があります。飯塚から石炭を運んでいただいたから、炉に火が入ったわけです。小学生には難しいかもしれませんが、中学生になったら、そこまで教えてあげてほしいですね。

香川 ありがとうございました。2日目は大盤解説会もありますので、ぜひ足をお運びいただければと思います。

Dsc_7304_2 (閉会の言葉 嶋田吉勝・飯塚観光協会会長)

(写真=紋蛇、書き起こし=牛蒡)


本日の更新は以上で終了です。明日の対局開始は9時となります。