有馬温泉の歴史は古く、神代の昔、大己貴命(おおなむちのみこと)と少彦名命(すくなひこなのみこと)の二神が、3羽の傷ついた鳥が湧き出した泉で傷を癒しているのを見つけて、温泉を発見したのが始まり。世に広く知られるようになったのは、奈良時代に行基菩薩が温泉寺を建立し、鎌倉時代には仁西上人が12の宿坊を建ててからと言われています。
さらに太閤秀吉が、湯治のためにたびたび有馬を訪れ、戦乱や大火で衰退した有馬の改修を行い、湯山御殿を建てました。江戸時代になってからは、全国でも評判の湯治場として多くの人々が訪れるようになり、その繁栄が今日の礎となっています。
◆温泉寺◆
本尊は薬師如来。奈良時代、温泉で人々を病から救おうと行基上人が724年に建立しました。当寺には行基上人、有馬温泉中興の祖・仁西上人の像が祀られていて、1月2日の入初式には温泉の初湯で沐浴されます。本堂の波夷羅大将立像は国の重要文化財に指定されています。
◆湯泉神社◆
有馬温泉を発見したといわれている大己貴命と少彦名命などの神々がまつられています。子宝が授かる神様として知られています。有馬温泉の守護神として親しまれており、温泉神社ともよばれています。
◆念仏寺◆
天文7年(1539年)の創建で、ねねの別邸跡と伝えられています。苔の庭が美しく、樹齢270年という沙羅の大木(ナツツバキ)があり、6月には『沙羅の花と一弦琴鑑賞会』が行われます。