2014年9月

2014年9月10日 (水)

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1日目終了後に塚田九段と村山七段に話を聞きました。(銀杏)

塚田九段「明日は木村八段の攻めを羽生王位が対応して、入玉含みに指すこともありそうです。▲2五桂の後に▲3七飛が決まれば明快です。もちろん、羽生王位は許さないわけで、そこのせめぎ合いが注目ですね」

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村山七段「△3五歩の新機軸で局面が動きました。その後の▲2八飛から▲5八金がなるほどと思いました。しかし、△4三金左が指されて、評価が自分の中で変わりました。羽生王位は予定していた指し方ではないかと思います。これで後手がよかったら異次元の大局観です。△4三金左は異質な手なのです。先手の3四歩を取りに行くのに、形のいい手は△4三銀や△4三金直。
△4三金左は守りの要の駒を動かすので、セオリーに反して一番指しにくいわけです。指されるまで気付きませんでしたが、これでバランスが取れているとは驚きです。
手が広いところで、▲1五歩、▲2五歩、▲2五桂、▲6一角などが考えられます。それなのに23分で封じたのは意外でした。封じ手予想は▲2五桂です。△3四金に▲1五歩△同歩▲1三歩(参考図。以下△2四銀は▲3七飛が馬金両取りになる)と攻めてどうかです」

20140910_hikaesitu2 (△4三金左以降の検討をする塚田九段と村山七段)

20140910_ban1 (木村八段が55手目を封じた)20140910_fujite1

20140910_habu9 (厳しい表情を浮かべる羽生王位)

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20140910_habu10 (木村八段から封筒を渡され、署名する羽生王位)

20140910_kimura8 (木村八段は戻された封筒を塚田九段に手渡す)

20140910_fujite2 (駒を片付けて1日目終了。木村八段は片付けやすいように、種類ごとに駒を集める)
(銀杏)

20140910_54図は54手目△4三金左まで。17時45分ごろ、控室で予想されていなかった手が出ました。△4三金直の方が形はいいので意表の一手です。△4三金左は▲2五歩△3四金▲3六歩△4九馬▲3五歩△2七馬▲3四歩△3七馬(参考図)と進んだときに▲7一角を緩和している意味があります。4二金を動かさないことで、5三を厚くしています。



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18時以降に封じ手の意思表示をするのではないかという声も出ています。「これは、すぐには決められないですね」と村山七段。
(銀杏)