木村八段が△８六歩（図）と突いた局面で羽生王位が封じ、１日目が終了した。ここは玉のコビンを開けない▲８六同歩が本命で、対する後手の指し手も△９六歩（Ａ図）が濃厚と見られている。

検討陣の意見では、有力な候補手は（１）▲２四歩か（２）▲３五歩。これはどちらを先に突くかという程度の問題ではなく、大きな方針に関わる問題と見られている。Twitter解説の増田六段は「これを封じ手予想にしたかった」と話すほど。増田六段は（１）▲２四歩以下、△同歩▲２五歩△９七歩成▲同香△９六歩▲同香△６三角▲２四歩（Ｂ図）の展開を予想。また控室では（２）▲３五歩以下、△９五飛▲３四歩（Ｃ図）などの展開を検討していた。

後手は９筋の香を狙って角を打った。増田六段はＢ図から△９六角▲２八飛の進行は先手持ちだが、△４五銀右▲同銀△同銀▲２八飛△３一桂と進むなら後手もやれそう、と話している。

Ｃ図はこう進めば先手は３筋、後手は９筋で我が道を行く攻め合いになる。一例は△９七歩成▲同香△９六歩▲同香△同飛▲９七歩△９四飛▲３三桂成。こうした激しい展開を嫌うなら、Ｃ図の▲３四歩に代えて▲９八歩と受ける手も考えることになる。
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