図は14時45分頃の局面。
△6二飛に行方八段の手がぴたりと止まりました。
前手▲6四歩を「筋の手で、△5三金にはこう指してみたい手なんですよね」と解説するのは船江五段。取られそうだった歩を攻めの拠点にする味のよい一手です。また、▲6三歩成△同金とすれば、△5三金と上がった手を無駄な一手にすることもできます。
ところがそれに対する図の△6二飛も先手の動きを利用した味のよい一手。次に△6四飛と払う形になれば飛車が3四銀をにらむ形になり、後手の駒がさばけてきます。
控室の継ぎ盤では先手にいい順がないか調べられていますが、攻めるのが難しいのか指し手はあまり進んでいません。香川女流初段と藤原三段の継ぎ盤では▲2二歩△同玉▲4四角△同金▲6三歩成△同飛▲4一角の変化が並びましたが、この順は「△6四飛で後手よし」という結論になりました。▲4一角は▲2四飛△同歩▲2三銀打の狙いですが、△6四飛と浮けば▲2四飛に△3四金(A図)で受かります。(棋譜コメントより)
井上九段は「一気によくするような手順は難しいので、悪くならないような、ぼんやりした手を指すかもしれません」と今後の展開を予想しています。
(香川女流初段と藤原三段。師匠の森信七段も横から検討に加わる)
(若葉)
2013年7月24日 (水)