2013年5月29日 (水)

懸念の自陣角

15時20分ごろ、控室には数人の棋士が入れ替わりで訪れて局面を確認している。青野照市九段は棋譜を使ってここまでの流れを確認し、「へえ、△1四角▲2七銀に△3五歩と突かなかったんだね」と本譜の展開に驚いていた。後手陣の自陣角が働くかどうか、という懸念の声はやはり聞かれる。青野九段は次のように語った。
「この戦型、先手は1歩得をしているんですよね。その代わりに後手は角金を手持ちにしているということですから」
 ――角を手放すと、そのバランスが崩れるということですか?
「手放す場所が問題です。先手の▲2七銀と見合いといっても、この銀はそんなに悪い位置ではないですから」

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(青野九段)

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(森下卓九段=左、野月浩貴七段)

(文)