図は84手目△6三銀まで。真田八段が予想したように、後手の攻めに先手玉は倒れませんでした。伊藤女流三段は受け止めて、後手の攻めが甘くなったところで反撃に出ました。すると、里見女流名人は拠点だった5六の垂れ歩を△5七歩成と成り捨てたり、貴重な持ち駒を△6三銀と打ったりして辛抱を重ねました。控え室では「鬼辛抱」の声も。
駒得で攻めているため伊藤女流三段が優勢と見られています。手段も多いため、方針を決めて進めたいところです。
(銀杏)
(立会人の真田八段とオンライン解説の木村九段。二人は千葉県出身の共通点がある。真田八段は八千代市、木村九段は四街道市出身。奨励会入会はともに1985年、真田八段が1学年上)
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(銀杏)
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https://hochi.news/articles/20220113-OHT1T51142.html
本棋戦は第42期から棋戦名が「岡田美術館杯女流名人戦」となり、例年、五番勝負第1局が神奈川県箱根町「岡田美術館 開花亭」で指されています。今期で7期目。過去6期の岡田美術館での対局結果を記します(左側の女流棋士が先手。段位は当時)。
第42期 里見香奈女流名人●-○清水市代女流六段
第43期 上田初美女流三段○-●里見香奈女流名人
第44期 伊藤沙恵女流二段●-○里見香奈女流名人
第45期 伊藤沙恵女流二段●-○里見香奈女流名人
第46期 谷口由紀女流三段●-○里見香奈女流名人
第47期 加藤桃子女流三段●-○里見香奈女流名人
第48期 伊藤沙恵女流三段?-?里見香奈女流名人
里見女流名人は振り駒の相性はよくないですが、対局は充実の内容で4連勝中です。
(銀杏)
上図は57手目▲6八玉まで。里見女流名人が激しく攻め立てています。しかし、立会人の真田圭一八段は「(先手は)倒れていないですよ」と話します。
「昼食休憩の前に指した△7七角(42手目)では、△4五飛、△7五飛、△8五飛と飛車を逃がす手が3つも考えられました。比較検討できる局面なのに4分で指したのは形勢を悪いと思っていたか、あるいは、▲5八歩(47手目)から▲5七銀(51手目。下図)と受けたのを軽視していたかもしれません。▲5七銀では玉の近くに▲6七銀と打ちたくなりますが、それだと△6四桂の攻めに▲6七玉と引けないため先手が悪くなるところでした」と真田八段は解説します。
(銀杏)
13時30分からオンライン大盤解説が始まります。担当は木村一基九段、貞升南女流二段、山根ことみ女流二段。
【第48期岡田美術館杯女流名人戦五番勝負第1局オンライン解説】
https://www.youtube.com/watch?v=YH7KVbavAxI