囲み取材
感想戦終了後、福間香奈女流名人への囲み取材が行われました。
―― 通算14期目の獲得を決めたいまの気持ちについて。
福間 フルセットになったので、いまはほっとしています。
―― 終局直後のインタビューで「いいところと悪いところがあった」という風に、シリーズを振り返られていた。
福間 第1局、第2局は自分のなかで決断よくのびのびとした将棋を指させていたと思います。ですが、第3局の逆転負けから少し流れが変わってしまって、第4局もあまりいいところなく、苦しくなり、そのあたりのことを指しています。
―― 復帰後、公式戦11連勝から西山女流三冠に3連敗というなかでの対局だった。
福間 星取りはそうかもしれませんが、内容的にだんだん悪くなっていってる感覚がありましたので、自分の将棋を指せるように心がけていました。
―― 連敗を止めたのは、何が大きかったか。
福間 流れはすべてにおいて悪かったと思うんですけど、家族がいるおかげで切り替えられることが多かったように思うので、それがすごくいい方向に向かったのかなと思います。主人が色々サポートしてくれたので、それがすごく大きかったです。
―― 本棋戦では、いままでフルセットに3回持ち込まれてすべて勝利。今回で4回目の勝利となった。フルセットの対局というなかで、心の持ち方、意識というもので何か特別なことは。
福間 なかなかフルセットは味わうことができないので、どちらかというと結構ワクワクしていたところがあります。
―― 自分の強みはどのようなところで出たか。
福間 ある程度対策は決まっていたので、自然体でいつもどおりだったと思います。第3局、第4局と読み抜けがあったので、本局はそういったことがないよう、しっかりと読みを入れて指すことができたのかなと思います。
―― これまでいろんな女流棋士と対戦してこられた。いまは西山女流三冠との対戦がとても多い。やはり特別な存在となるのか。
福間 すごく鋭く切り込まれるところだったり、最後まで粘り強く指されるところだったり、棋風はまったく違うように感じます。考えていないような手をパッとされることもあって、対局していて毎回新鮮なところがあります。
―― 西山女流三冠とのタイトル戦が続く。今後のタイトル戦についての思いは。
福間 本局はしっかり準備して臨むことができたと思うので、今後も目の前の対局に集中できたらなと思っています。
(夏芽/インタビュー書き起こし:武蔵)