終局直後
(上田女流三段もあとがなくなり、最終第5局にタイトル奪取を懸ける)
―女流名人からお伺いします。33手目▲7四歩の仕掛けは成算はありましたか。
里見 ちょっと無理気味かなとも思いつつ、じっとしていると端が大きいのかなと思いました。仕方なく、です。
―昼食休憩の辺りはいかがでしたか。
里見 昼休のところは自信がありませんでした。
―51手目▲2六歩は控室で珍しいといわれていました。
里見 自分からキズを作っているので、ちょっとおかしい疑惑があるのですが。▲5七金のような手のほうがよかったかもしれませんね。
―64手目△3五銀から激しい終盤に突入していきました。
里見 58手目△6三歩の局面で、少しよくなりそうと思っていたのですが、読んでいるうちにあまり自信がなくて……。そうですね、△3五銀と打たれたあとはもう、自信がありませんでした。
―終盤について、形勢はどのように見ていましたか。
里見 67手目▲1六歩と突いて、駒損する展開や寄せ合い負けする順もあまりなさそうなので、少し難しくなったかなと思いました。71手目▲2五銀と打って自玉が少し安全になったので、盛り返したと思いました。
―第1~3局と違い、繊細で難解な将棋でしたが、一局を通してはいかがですか。
里見 今回はゆっくりした将棋にするつもりでしたが、23手目▲7七角~▲6八角(~▲4六角)で手損してしまい、やむをえず動いたという感じだったので全体を通して自信がありませんでした。
―これでタイに戻されて、最終局になりますが、抱負をお願いします。
里見 少し間が空くので、自分をしっかり準備したいです。今日は序盤で少しミスを重ねてしまったので、自分にできる限りのことをやって第5局に挑めたらなと思います。
―上田先生、端が生きる展開とはいえ金が7三にいくなど、指しこなすのが難しい将棋かと思いますが、いかがでしたか。
上田 ずっと難しいと思っていましたが、中盤に曖昧な手が続いてしまったと思います。
―具体的にはどの辺りの手順ですか。
上田 48手目△6三飛と浮いたところで、指した瞬間に見えたのですが、△4四桂があったかなと思いました。本譜はあちらの飛車が働く展開になってしまいました。63手目▲4六飛の局面でまた間違えたような気がします。
―64手目△3五銀で攻勢が取れそうですし、駒得もできそうで、控室では後手持ちといわれていました。
上田 そうなんですか? 65手目▲5二飛と打たれたところは、こちらだけ金が孤立しているのであまり自信がありませんでした。△9九角成と香を取りにいくのでしたかね。まだちょっとよく分かりません。
―66手目△1三玉については。
上田 考えているうちに、よく分からなくなってしまったんですね。でも、どうやって手を入れていいのかが分からなかったので、あまり自信はありませんでした。
―一局全体を通しては。
上田 ずっとよく分かりませんでした。昼休辺りはちょっと指しやすくできそうな気がしたのですが、中盤でところどころ間違えた気がします。
―2勝2敗のタイになって次局が大一番になるのですが、抱負をお願いします。
上田 勝っても負けても最後なので、思いっきり指せればいいかなと思います。
(飛龍)