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2017年1月

2017年1月28日 (土)

前夜祭2

A847 (主催者あいさつ 報知新聞社 高橋信義・取締役副社長)※高はハシゴ高

「新聞紙面でもご存知と思いますが、1974年に開催され、今期で43期になりますが、女流棋界を盛り上げるために発足しまして、第42期から岡田美術館杯と冠名を変えて2期目になります。里見女流名人は8連覇を目指しています。上田女流三段が挑戦者に名乗り上げました。ふたりの対戦は4年前にあり、第5局までもつれたと聞いています。

第1局、第2局とも上田女流三段が勝たれ、第3局は初めての女流名人を目指す上田女流三段とタイトルホルダーとしての意地を見せるか熱戦を期待をしています。対局は関根名人記念館で行われますが、現地では大盤解説会も開かれますので、明日もお楽しみにしていただければと思います」(高橋副社長)

A879(主催者あいさつ 日本将棋連盟 青野照市・専務理事)

「今年初めて野田市にきました。皆さま方にお詫びとこれからの決意を話したいと思います。ご承知のとおり、谷川浩司会長が辞任となりました。皆さま方にはご迷惑をおかけしています。将棋界としてはこれからしっかりいい形を取り戻したいと思います。映画の公開や藤井聡太四段や加藤一二三九段の活躍など、いい話題を届けられるように努めてまいりたいと思います。

女流名人戦は第43期ということで、報知新聞社さまに主催していただいております。女流棋士ができてからの歴史を歩んでいるわけです。長きにわたって主催していただいて、頑張りがいのある棋戦だと思います。この女流名人戦の半分くらいの時期をユニバーサルエンターテインメント社が特別協賛してくださっています。岡田美術館は今年で4年目ですが、日本でトップクラスの美術館ではないかと思います。素晴らしい冠名がついたと思っています。

前市長さんから毎年開催してくださっています。市長が変わっても、関根金次郎十三世名人の故郷は変わりませんので、将棋を使って、憩いや子どもへの教育に使ってくださればと思います。

里見さんが今年度9割、上田さんは8割というすさまじい勝率です。7連覇中の里見さんが2連敗で追い込まれていますが、これから3連勝してもおかしくないし、上田さんが勢いのままに明日勝ってもおかしくないと思っています。第1局の▲5一角という手は、今年話題の手と思うのですが、『このふたりのレベルは私よりも強いのではないか』と思った次第です。男性棋士にも引けを取らないレベルになったと思います」(青野専務理事)

A933 (主催者あいさつ 野田市 鈴木有・市長)

「野田対局は今回で9年連続の開催になりました。私は7月から市長に就任していますが、市議会議長のころからお邪魔させていただいています。前市長から引き継いで長く開催していきたいと思っています。

野田市は将棋の街ということでPRさせていただいております。青野九段の著書でも、将棋に熱心な都市として紹介してくださっております。よりよい環境を整えるのが開催地の役目と思っているので、明日の対局が心置きなく戦えることを祈念しております」(鈴木市長)

A959 (特別協賛社代表あいさつ 岡田美術館 寺元晴一郎・副館長)

「岡田美術館は箱根に開館して4年目になります。本格派の美術館を目指しています。美術と将棋、似たところがあるのではと考えていました。私たちが美術品を購入するときは、少しでも甘い感覚を取り入れると命取りです。

将棋は詳しくありませんが、ひとつの手が命取りになることもあるでしょう。いずれにしても、品格と品性を失ってはいけない。そこに将棋や美術と共通点があると感じます。第3局が素晴らしい対局になるとお祈りいたします」(寺元副館長)

(牛蒡)

前夜祭1

28日18時から「クリアビューゴルフクラブ&ホテル」で前夜祭が開催されました。対局者は大きな拍手で迎えられました。

A819 (開会のあいさつ 関根金次郎支部 荒井清二郎・副支部長)

A824(対局者入場)

A907 (里見女流名人)

A834 (上田女流三段)

(牛蒡)

検分

14時30分過ぎから検分が行われました。通常は女流名人が床の間を背にして座りますが、今回は対局開始時と昼食休憩明けにファン・関係者の対局観戦が予定されているため、対局者がよく見えるように、床の間に向かって横に並ぶような席の配置になりました。入口から遠い席(上座)に里見女流名人が座ります。室内の明るさなどが確認されました。

A426 (里見女流名人の背後は窓。明るさ調整のため障子が閉められた)

A409_2 (関係者のリクエストで駒台に駒を置く。検分では珍しい光景)

A435 (記録机の位置も調整された)

A457 (観戦者の視点から撮影。両対局者がよく見える)

(牛蒡)

対局の地へ

関係者一行は野田市内にある川間駅で待ち合わせ。駅から車で対局場に向かいました。

A371 (里見香奈女流名人に緊張した様子は見られなかった)

A384 (開幕2連勝で波に乗る上田初美女流三段)

A377 (川間駅は東武鉄道野田線=東武アーバンパークラインが走っている)

(牛蒡)

第3局は1月29日開始

里見香奈女流名人に上田初美女流三段が挑戦する岡田美術館杯第43期女流名人戦五番勝負(主催・報知新聞社、特別協賛・株式会社ユニバーサルエンターテインメント)。上田女流三段が開幕2連勝を決め、初の女流名人獲得まであと1勝と迫っています。8連覇の懸かる里見女流名人は追い込まれました。第3局は2017年1月29日(日)に千葉県野田市「関根名人記念館」で行われます。

対局開始は9時。持ち時間は各3時間。先手は上田女流三段です。立会人は野月浩貴八段、記録係は渡辺弥生女流初段、スポーツ報知の観戦記担当は相崎修司さん、Twitter解説は長岡裕也五段が務めます。現地大盤解説会は当日13時開始、解説は阿部健治郎七段、聞き手は竹部さゆり女流三段です。

棋譜中継は銀杏、ブログ更新が牛蒡が担当します。よろしくお願いします。

◆スポーツ報知(主催)
http://www.hochi.co.jp/hobby/shogi/joryumeijin/

◆株式会社ユニバーサルエンターテインメント(特別協賛)
http://www.universal-777.com/corporate/culture/shogi/

◆関根名人記念館=いちいのホール(対局場)
http://www.city.noda.chiba.jp/shisetsu/shiyakusho/1001045.html

◆第3局棋譜中継ページ
http://live.shogi.or.jp/joryumeijin/kifu/43/joryumeijin201701290101.html

(牛蒡)

2017年1月22日 (日)

感想戦の様子

Img_1429大盤解説会場から戻り、あらためて感想戦が始まった。

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以上で第2局の中継を終わります。
ご観戦まことにありがとうございました。

(八雲)

大盤解説会場へ

終局後、両対局者は大盤解説会場に足を運び、対局を振り返りました。

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Img_1409解説会場でもしっかり感想戦が行われた。

(八雲)

終局直後の様子

Img_1312終局後、両者にインタビューが行われた。

Img_12882連勝の上田女流三段。

【上田女流三段の談話】
――序盤、端から果敢に攻めていかれましたが予定だったのでしょうか。
「いえ、予定ではなかったです。やってこいという形だったのでいってみたのですけど、よくわからなかったです。▲4八玉(7手目)だったので、角交換から△4五角をやってみたくなったんですけど。端が生きる展開になりやすいかなと思いまして」

――中盤はいかがですか。
「香得なのですが竜を作られて。香を走るところ(28手目)は、ちょっとよくわからなかったです。走った瞬間は怖かったですね」

――駒得を拡大して形成を引き寄せたように見えましたが、どのあたりから指しやすさを感じましたか。
「自玉が安全になって、攻めの手番が回ってきたところで少しペースが来たかなと主追いましたが、間違えたらすぐにひっくり返される局面なので、最後までわからなかったです」

――1局目に続いて果敢に攻める将棋で、テーマに掲げられてる引かずに戦う、というところを盤上に表現されているように見えましたが、ご自信としてはいかがでしょうか。
「そうですね、自分が読んだ手をしっかりさせている部分はいいのかなと思います」

――連勝して、次はタイトル奪取の懸かる勝負になります。第3局に向けての抱負をお願いいたします。
「そうですね、あまり意識せず自然体で自分の読みを信じて指したいなと思います」

Img_1355里見女流名人は追い込まれた。

【里見女流名人の談話】
――序盤の▲4八玉を選択されて激しい展開になりましたが、局面をどう見ていましたか。
「難しくてよくわからなかったですが、力戦になるので、しっかり読んで指そうかなと思っていました」

――形勢を損ねたというのは、どのあたりになるのでしょうか。
「昼食休憩(25手目)のときには、ちょっと自信がなくて。そのあと▲8一竜(35手目)と潜ったあたりでは、そんなに悪くないかと思っていたので……。△7六桂を打たせる展開ではなくて、しっかり受けに回る展開にしたほうがよかったかもしれません」

――残念な結果になりましたが、地元で応援を受けていかがでしたか。
「(第2局については)終わったことなので、今日をしっかり反省して、また明日からは地元の方の声をはげみにして頑張りたいと思います」


(八雲)

上田女流三段が2連勝

Photo_2 第43期岡田美術館杯女流名人戦五番勝負第2局は、上田女流三段が104手で里見女流名人を下して成績を2連勝としました。終局時刻は17時1分。消費時間は▲里見2時間59分、△上田2時間58分。
第3局は1月29日(日)に、千葉県野田市「関根名人記念館」で行われます。

(潤)

里見の粘り

65図は16時15分頃の局面。
挟撃形を作れない先手は、▲6六金と自陣に打って粘りを見せました。後手としても、ここで粘られるのは避けたいところ。決め手を放てるかどうか。勝負はいよいよ大詰めを迎えています。

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