2014年8月28日 (木)

世代間の相違

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木村八段は△6三角(図)と角を据えた。9筋の香車を狙いつつ、4筋に利かしてもいる。先手は桂と香を同時に守る手段がないので、駒損を免れない。必然的に代償を求めて動くことが予想されるので、激しい戦いになることは必至だ。控室には昨日に続いて千田四段が訪れている。検討ではどうやら見解に世代間の相違があるようで、淡路九段と藤原七段は後手持ち、千田四段は先手持ちで考えている様子だ。実戦は羽生王位が▲8七金と上がって香を守った。▲9六同香からの継続手で、駒が上ずるので指しにくい面はあるが、別の見方をすれば上部に手厚いともいえる。以下、△4五銀右▲同銀△同角▲8三銀と進行。

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Img_6536(「撮るならこの局面で……」と千田四段が盤面をささっと作る)

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実戦は検討通りに進んでいる。この局面を見て「先手有利で済めばいいんですけど……」と千田四段。後手から先手玉に迫る手段が難しいようだ。検討が進むと「悔しいですけど千田説には納得ですね」と藤原七段。
(文)