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第67期王座戦挑戦者決定戦

2019年7月25日 (木)

ギアを上げる

Ouza201907250101_78上図は豊島名人が5、9筋の順で突き捨てを入れ、角取りに飛車を回ったところ。以下、永瀬叡王は▲7三角成とギアを上げました。△7三同玉▲8五桂△6二玉▲7三銀……、と単刀直入に迫って下図。後手も持ち駒が増えているだけに、反撃の余地を与えずに攻める覚悟がうかがえます。

Ouza201907250101_89_2Toyoshima06(朝、豊島名人は8時51分に対局室に入った。辛抱の時間が続く)

(飛龍)

17時頃の控室

17時前になると、さらに西川和宏六段、脇謙二八段の順に控室を訪れています。

Hikae07 (入れ替わりで脇八段と西川和六段が継ぎ盤周りに)

Hikae08 (日本将棋連盟の専務理事も務める脇八段)

Hikae09

(西川和六段は継ぎ盤を眺める)


(飛龍)

16時30分過ぎの控室

16時30分を前に里見香奈女流五冠が控室を訪れると、星野良生四段、宮本広志五段と相次いで顔を出しました。検討も活発になってきたようです。

Hikae03 (里見香女流五冠が先手、稲葉八段が後手を持ち、宮本五段、星野四段らが見守る)

Hikae04 (里見香女流五冠は女流王座のタイトルも保持している)

Hikae05 (続いて顔を出した星野四段)

Hikae06 (さらに宮本五段と続いた)


(飛龍)

後手、困ったか

Ouza201907250101_71永瀬叡王は▲9七桂と、囲いの桂を使って攻める方針を見せました。次に▲8五桂打が実現すれば、銀を取れるようになって駒得が広がるうえ、上部の厚みでも優位に立てそうです。16時15分頃、豊島名人は30分ほど考えており、控室でも後手にうまい対処が見つかっていません。

Nagase06 (朝の永瀬叡王。会心の一手が出たか)


(飛龍)

受け将棋

Ouza201907250101_67永瀬叡王は▲3五角からさばき合うのではなく、▲3七歩で△1九角成を防ぎ、相手の駒をさばかせない方針を見せました。

控室のある4階には(故)大山康晴十五世名人の肖像画が飾られています。大山十五世名人は受けの棋風として知られ、永瀬叡王の指し回しにも、どこか似たものをほうふつとさせるとの話もあります。

Ooyama1(大山康晴十五世名人は王座戦の優勝9回を数える)

Ooyama2 (王座戦はタイトル獲得数には含まれていない。タイトル戦に昇格する前のことだった)

Ouza201907250101_70さらに△7二玉▲8八玉△9三銀と進みました。△5五歩▲同歩△同角から△8三歩で香を取りにいく狙いだと見られています。互いに相手玉を直接攻めるのではなく、相手の攻め駒をさばかせない、受け将棋の指し回しです。

(飛龍)

後手歩切れ

Ouza201907250101_63上図は直前に▲3八飛で△3五歩と打たせ、6八から角を上がったところ。稲葉八段は▲8四香から▲8三香成の狙いだと解説しました。上図以下、△6四角に▲8四香△5一飛と進んでいます。

Ouza201907250101_66先手はすぐに▲8三香成だと△8一飛とされてしまうためほかの手段が必要で、稲葉八段は▲3五角△同金▲同飛を示しました。先手を持って考えたい局面のようです。

Toyoshima05(豊島名人は辛抱を強いられる展開となった)


(飛龍)

本日は天神祭りの日

関西将棋会館周辺には、福島区内の福島天満宮の夏祭り(天神祭り)のちょうちんが飾られています。「天神祭」といえば北区天満にある大阪天満宮のものが有名で、いずれも昨日が宵宮でした。本宮を迎える本日は、午後には最寄りのJR桜ノ宮駅や周辺道路は混雑が見込まれています。
Tenjin1(なにわ筋沿いにちょうちんが並ぶ)

Tenjin2(左のレンガの建物が関西将棋会館)


(飛龍)

永瀬叡王、駒得を重ねる

Ouza201907250101_57図は13時30分頃の局面。豊島名人が6筋に味をつけ、玉を先手の攻め駒から遠ざかっている間に永瀬叡王は桂香と取っていって駒得を重ねています。

Nagase05 (今朝、永瀬叡王は8時39分に入室した)

(飛龍)

稲葉陽八段来訪

昼食休憩明け、新聞解説を務める稲葉陽八段が訪れました。観戦記は日本経済新聞紙上に後日掲載の予定です。

Hikae01(早速、盤を挟んで記者に解説)

Hikae02(44手目△3三金は指しにくいとの印象を述べた)

(飛龍)

昼の対局再開

Saikai1(両者はともに12時30分過ぎには対局室に戻ってきた)

Saikai2 (永瀬叡王は前傾姿勢で盤面をにらむ)

Saikai3 (対局再開の声がかかり、▲6八角を着手)

Saikai4 (それを見て豊島名人は前傾姿勢になった)

Saikai5(47手目▲6八角から午後の戦いが始まる)


豊島名人は数分の少考で△6五歩と突き出しました。

(飛龍)

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