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第61期王座戦五番勝負第4局

2013年10月 8日 (火)

昔の形に

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中村六段は△2四飛(図)とまわり、2筋に圧力をかけた。後手番ながら伸び伸びと指せているのは気持ちがいい。現在プロ間では横歩取りが人気だが、それは矢倉や角換わりに閉塞感があることだけが要因ではないだろう。
「過去の実戦例に合流している気がするのですが……。太地君は昔の将棋もよく勉強しているからなぁ」(深浦九段)
同一局面の実戦例は5局あり、いずれも1990年~1997年に指されている。後手の2三銀型など最新の要素がありながら、昔の形に合流しているのは興味深いことだ。
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魚沼市場

玄関前の魚沼市場では、地元農家から直接仕入れた米、野菜のほか、龍言内の農園で採れた旬の野菜も販売されている。

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魚沼の名物

南魚沼市では稲作と酒造が盛ん。売店では魚沼産コシヒカリ、龍言まんじゅうをはじめ、地元六日町の三大銘酒「八海山」「高千代」「鶴齢」などを取り扱っている。日本経済新聞による紹介も。

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(宿の食事では自慢のコシヒカリを賞味できる)


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悩む

11時ごろ、控室では中村修九段が詰将棋を創作中。なかなかうまい形ができないようだ。奥のモニタには、対局室の様子が映っている。

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羽生王座の横歩取り

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二人の間では横歩取りはこれまで4局指され、すべて先手の羽生王座が勝っている。羽生王座の先手番横歩取りの戦績は85勝23敗(0.787)と、驚異的な数字を残している。前期の挑戦者決定戦も戦型は横歩取りで、先手がじわじわと駒を前に進める展開からそのまま後手陣を突破、押し切った。中村六段も後手番横歩取りは得意で、戦績は11勝17敗(0.607)と勝率は6割を超えているが、羽生王座の数字を見ると気が遠くなるのも事実。この厚い壁に、中村六段はどう立ち向かう。


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六日町温泉「龍言」

六日町温泉「龍言」は、上杉景勝・直江兼続ゆかりの坂戸山ふもとにある温泉旅館。施設の多くは、近郷の古民家を移築したもの。昨日関係者が到着した際に休憩した部屋は、文政年代(約250年前)の武家屋敷「幽鳥の間」。いろりには最近になって火を入れたが、ここ数日は天気がいいため消しているそうだ。

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横歩取り

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戦型は中村六段の誘導で横歩取りに進んでいる。中村六段の得意戦法だ。戦いになれば中盤を飛ばして一気に終盤になることも少なくない。とはいえ、まだ序盤ということで控室は穏やかな雰囲気。長い一日が始まる。

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(新聞解説の近藤正和六段=左、中村修九段)

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(深浦九段が本田女流三段に横歩取りの講義をしている。右にいるのは島九段)

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対局開始

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王将と玉将

羽生王座が駒袋を開け、駒を並べていく。と、「あっ」と羽生王座が声を出し、「失礼」と言って駒の山に再び手を伸ばした。王将と玉将を取り違えたのだ。中村六段が耳をかく。珍しい出来事。駒を並べる間、羽生王座の柔和な表情が印象的だった。

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朝の対局室

中村六段、続いて羽生王座が入室。中村六段のお盆には、この五番勝負で定番になったスポーツドリンク、栄養ドリンクが用意されていた。

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