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11時15分頃、渡辺王座が△6五歩と開戦した。「▲同歩が自然でしょうか。▲5九角と引く手もありますが、先手番だけに選びにくい意味があります」(森下九段)
(烏)
(御所湖は1981年に完成したダム湖。南北朝時代の北畠少弐が住んだ滴石御所が、御所村の名を経て、御所湖と名づけられた。3月から9月まではイワナやヤマメを釣ることができ、12月には白鳥が飛来する)
10時40分頃の局面。先手は総矢倉、後手は雁木の陣形に組んだ。「雁木は飛車先の歩を切らせることが多いですが、矢倉はそうではありません。飛車先の歩交換は自分の方が得というのが、後手の主張だと思います」(中村太地六段)
図の△3一玉を目にした島九段、森下九段が、「ひえー、強気ですね」と悲鳴をあげた。後手は△6四銀~△7五歩や△5五歩を見せて、先手に受けの手を指させようとしている。玉形の整備を一手だけで済ませるのが、△3一玉の意図のようだ。(烏)
9時45分過ぎ、対局室から戻ってきた島九段が控室できょろきょろ。検討のための場所を探しているようだ。やがて「ここにデッドスペースがありました」と、腰を落ち着けて検討を始めた。島九段と屋敷九段は、モニタが置かれている台の脇で駒を動かしている。(棋譜コメント29手目より)10時少し前の局面は▲2八飛まで。(烏)
(羽生の初手は▲7六歩)