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2025年7月 3日 (木)

一瞬の機

250703_103これまで後手は△7五香(94手目)や△8五桂(98手目)で先手玉をしばりつけてきました。しかし、△7三桂(102手目)は包囲網がわずかに緩んだ感もあります。この機を羽生九段は逃しませんでした。

受け一方の展開から一転、▲5一銀(図)がハッとする鋭手。(1)△5一同玉は▲7一馬が詰めろになります。詰み手順は▲6二馬△4一玉▲5二金△3二玉▲4一銀△3三玉▲5一馬まで。後手玉は△3三玉から△2四玉があるのが強みでしたが、その脱出ルートを馬が消しています。(2)△3三玉が難敵ですが、どこかで△6五桂に▲6二銀不成に入れば、銀が7三に利いて先手玉に逃れ筋が生じるかもしれません。▲5一銀は流れを変える一手になる可能性を秘めています。

Dsc_0165_2(▲5一銀は羽生マジックの一手になるか)

(牛蒡)

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