図は羽生王座が▲4四角に△3七歩成としたところ。角を取るよりも飛車取りを重視しました。△3七歩成とせず、△4四同金は▲7一角△7二飛▲5三角成と攻められてしまうところでした。
△3七歩成が際どい利かしで、実戦は▲4六飛△4四金▲7一角△4五金(2図)と進みました。△3七成歩は▲4六飛と先手の飛車をさばかせて損したようですが、2図の△4五金が飛車取りになる効果がありました。戦いが始まってからすぐに際どい選択を迫られているのです。2図が52手目ということからも指し手の密度の濃さが感じられます。
(銀杏)