図の▲1四歩で未知の局面に入りました。
前例は▲1二歩△同香▲1三歩△同香▲2五桂と激しく攻めていましたが、羽生二冠はじっと垂らして手を渡しています。
図から△3七歩▲2八飛△3四銀▲3五歩△同銀左と進んで次図。
23時40分頃、△3五同銀左までの消費時間は▲羽生4時間10分、△渡辺4時間13分。
(八雲)
指し直し局は早いペースで矢倉に進みました。
渡辺王座は矢倉の後手番でこのところ急戦策を連採していましたが、本局ではオーソドックスに持久戦に進めています。
(八雲)
図で△8八角成▲同飛△7九角成と迫れば先手玉は寄り。しかし角を渡すと後手玉に▲7一角からの詰みが生じてしまいます。従って△8八金と取るしかありませんが、▲同飛△8九金▲7八金で千日手が避けられないと見られています。
(八雲)
最終盤、千日手もささやかれていたところで、羽生二冠は歩頭に銀を捨てる鬼手を放ちました。
▲6六同歩は後手玉が詰めろになっておらず、△8九金と詰めろをかけて後手の勝ちと見られています。
しかし、▲6一飛が詰めろ逃れの詰めろになるなど、先手にも返し技が考えられるようです。
どこまでも難解な終盤戦が続いています。
(八雲)