妥協しない踏み込み 上図は▲6四歩を放置して△5七銀と打ち込み、攻め合いに踏み込んだ局面です。自玉の急所を攻められても、先に先手玉を寄せてしまえばいいという判断なのでしょう。確かに、▲5七同銀△同桂成▲6三歩成△同角(変化図)の局面は、次に△2七銀打からの詰めろがかかって、先手は受けに回らなければいけません。 実戦は△5七銀に▲6七飛として辛抱しました。局面は後手が指しやすいとの評判です。(羽生九段は額に手を当て、悩ましげな表情を浮かべる)
大幸園(2) 大幸園の中の様子を少しだけご紹介します。(2期前の王将戦で寄贈された椿) (前期は大幸園での対局は行われなかったが、王将位奪取を記念して吉野桜が植えられた) (酒樽に囲まれて。お酒好きの深浦九段)
2日目昼食休憩から対局再開(2) (藤井王将の入室)(着座後、すぐに盤に視線を落とした)(羽生九段は、藤井王将の入室から数分後に部屋に現れた)(棋譜用紙をのぞき見る)(対局再開を告げられても、羽生九段の手は盤上に伸びなかった)
2日目昼食休憩から対局再開(1) (2日目昼食休憩時の局面、△3一歩まで) (対局室には今期王将戦の記念扇子が飾られている)(上座側の障子は開けられ、外の緑が目に優しい)(現地は分厚い雲が空を覆い始めた)
2日目昼食休憩 12時30分、図の局面で羽生九段が26分考えて昼食休憩に入りました。消費時間は▲羽生5時間15分、△藤井5時間36分(持ち時間各8時間)。昼食の注文は藤井王将が「佐賀県産金星豚のロースト」、羽生九段が「佐賀県上峰産うなぎの蒲焼丼」。対局は13時30分に再開します。 (佐賀県産金星豚のロースト) (藤井王将の注文) (佐賀県上峰産うなぎの蒲焼丼) (羽生九段の注文)
攻め始める王将、反撃態勢の挑戦者 先手は玉形の充実を図りつつ、駒を前進させます。深浦九段は「互いに十分な戦力が備わってきました。しかし、先手は動くと反動でやられてしまいそうなので、指す手の難しい状況が続いています。藤井王将が攻め始めて、羽生九段が反撃する、という展開が予想されます」と見解を述べました。田村七段は、後手の持ち歩の多さに注目しています。小技をかけやすく、攻めやすいのは後手のようです。上図から藤井王将は△3六銀と打ちました。先手の玉頭にプレッシャーをかけて、△4七銀成や△2五銀▲同銀△同桂を狙う一着で、攻め込む姿勢を示しました。(深浦九段は盤を使って読み進める)(封じ手用紙。次の一手を赤の矢印で示す)