2021年2月12日 (金)

渡辺明王将に永瀬拓矢王座が挑戦する第70期王将戦七番勝負は、開幕から渡辺王将が3連勝で防衛にあと1勝としました。ストレートで防衛を決めるか、挑戦者が巻き返すか。第4局は2月13・14日(土・日)、東京都立川市「SORANO HOTEL」で行われます。

立会人は谷川浩司九段、副立会人は中川大輔八段、記録係は田中大貴三段(北島忠雄七段門下)。オンラインで配信される現地大盤解説会の聞き手は室谷由紀女流三段が務めます。

インターネット中継は棋譜・コメント入力を紋蛇、ブログを文が担当します。

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2021年1月31日 (日)

Img_4749 終局直後、両者にインタビューが行われた。

Img_4736 開幕から3連勝の渡辺王将。

【渡辺王将の談話】
――一局を総合的に振り返ってのご感想は。
「こちらが歩損をして、その代償を取りにいく展開だったんですが。ちょっと歩を捨て過ぎているので、今日の午前中あたりはちょっとまずくしてしまったかなと思っていました」

――まずい状況から転換したのは、どのあたりでしょうか。
「▲2五飛(65手目)と浮いたところは、少し良くなったかなと思いました。それまでは、歩切れに悩む展開だったので、何か(相手に)うまい手があったらまずいかなという感じでやっていましたけど」

――そうすると、今日の午前中はかなり難しいと思っていたのですね。
「(後手が)最強に受けて来る順はいい勝負かなと思ったのですが、本譜のように銀桂交換になる順はあまり読んでいなくて。指されてみると、歩の足りなさが……。攻め方がちょっとまずかったかなと思っていました」

――昼食休憩時後はどのような方針で指されましたか。
「歩切れを解消することと、駒の損得を重視して指していました」

――最終盤は好調に攻めが続いていたように見えました。
「飛車が成って駒得になったあたり(81手目▲9三飛成)は良くなったなと」

――これでシリーズは3連勝となりました。
「まだ途中経過ですし、次戦は少し間が空きますから。また近くなってきたら作戦を練って臨みたいと思います」



Img_4761 永瀬王座は力の出せない将棋が続いている。

【永瀬王座の談話】
――一局を振り返っていかがですか。
「長考した局面(28手目△6四角)で、余計な手をかなり多く読んでしまって、正しい道がちょっとわからなかったです。2日目は自然に指していたつもりが、少し受け過ぎていたのかもしれません。▲2五飛(65手目)と浮かれた局面で長考して、指し方がまったく浮かばなかったので、形勢が悪いのかなと思いました」

――歩を多く持つ展開でしたが、そこは主張にならなかったのですか。
「展開次第では大きいのかと思いましたが、本譜の進行では主張になっていなかった気がします」

――勝負どころはどこだったと思われますか。
「△6四角(28手目)のアプローチは違和感があったので……。(その局面は)手が広いように感じたので自然な手を指したかったのですが、それがわからなかったです」

――シリーズは3連敗となってしまいましたが、次局に向けて抱負をいただけますか。
「難しい局面で悪い方向性の手を指してしまっている気がするので、修正して内容のいい一局を指したいと思っています」

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この局面で永瀬王座が投了、渡辺王将が115手で勝ちました。終局時刻は17時25分。消費時間は▲渡辺明6時間58分、△永瀬7時間31分。勝った渡辺王将は開幕から3連勝で防衛まであと1勝としました。

2021013096図は16時30分頃の局面。
「さすがにはっきりしましたね。終局が近いと思います」(中村修九段)
「難しい形勢だったのに、急にバランスが崩れましたね」(佐々木慎七段)

Img_4641 午前中、那珂川の河原では枯草を火で焼く野焼きが行われていた。

202101308316時6分の局面。渡辺王将が差を広げています。図の▲7四歩は検討陣も本命と見ていた手。△7四同歩なら▲7三桂△7一飛に▲8一桂成と確実に攻めて、先手優勢と見られています。
「▲8一桂成では▲8一成銀のほうが速い攻めですが、そこまで危険を冒さなくても差を広げられそうです」(佐々木慎七段)

Img_4726 検討の様子。中村修九段が再び和服に着替えてスタンバイしている。

2021013076図は15時40分頃の局面。両者の指し手が早く、パタパタと進みました。少し前から、検討陣は先手有利と見ています。渡辺王将の攻めが自然に続いており、後手は飛車が働いていないのが泣き所です。

Img_4271 渡辺王将の手元。懐中時計と扇子。

Img_4256 永瀬王座は腕時計と色付きの扇子。
※対局者の手元は1日目の写真です。