藤井聡太王将に羽生善治九段が挑戦する第72期ALSOK杯王将戦七番勝負は1月8・9日に静岡県掛川市「掛川城 二の丸茶室」で行われます。藤井王将が王将戦で初防衛を果たすか、羽生九段が復位してタイトル獲得数が通算100期に達するか。注目の七番勝負です。
対局は8日9時開始。持ち時間は各8時間。8日18時時点で手番の棋士が封じ手を行い、9日9時に封じ手を開封して対局再開。昼食休憩は両日とも12時30分から13時30分。おやつは両日ともに10時30分と15時に出されます。開幕局の本局は、藤井王将の振り歩先(歩が多ければ藤井王将先手)による振り駒で先後を決めます。
立会人は久保利明九段、副立会人は神谷広志八段、記録係は中沢良輔三段(飯野健二八段門下)が務めます。
本局の中継は、棋譜・コメント入力を八雲、ブログを銀杏が担当します。
よろしくお願いいたします。
◇主催
【毎日新聞】 https://mainichi.jp/oshosen2023
【スポーツニッポン】 https://www.sponichi.co.jp/society/tokusyu/osho2018/
◇特別協賛
【ALSOK】 https://www.alsok.co.jp/info/alsokhai-oushousen/
◇協賛
【囲碁・将棋チャンネル】 https://www.igoshogi.net/shogi/oushou/72th/72oushou_seven_battle.html
【立飛ホールディングス】 https://www.tachihi.co.jp/social/art-culture/
【inゼリー】https://www.morinaga.co.jp/in/jelly/
◇対局場
【二の丸茶室】 http://kakegawajo.com/guides/tya/
藤井聡太新王将の記者会見
――1年前は二冠でしたが、一気に五冠になりました。大山康晴十五世名人、中原誠十六世名人、羽生善治九段に次ぐ4人目となります。大棋士と肩を並べてしかも史上最年少で五冠を達成された今の気持ちをお聞かせください。
藤井 過去に五冠になられた方は時代を築いた偉大な棋士ばかりなのでとても光栄に思います。自分の場合はまだまだそういった立場に見合った実力がまだ足りないかなというふうに思うので、今後さらに実力をつけていく必要があるかなとも思います。
――次の年度からは五冠の防衛戦と、ファンからは他のタイトルの積み上げを期待されていると思います。来月の順位戦で勝つとA級に入って名人への挑戦権争いにも加わることになります。
藤井 来月の順位戦は昇級が懸かった対局になるので、しっかり悔いのないように戦えればと思っております。翌年度からは防衛戦も始まることになるので、それに向けてしっかり少しずつ実力を高めていければと思います。
――藤井五冠は常々、記録は意識しないと語ってきましたが、タイトルを重ねていくうちにいろいろと思いも変わってくると思います。タイトルを取っていくことの意義についてどう考えていますか。
藤井 これまでもタイトル戦の対局を経験させてもらう中でいろいろ成長できた部分がとても多かったと思います。タイトルを取るということ以上にそういった舞台での対局を生かして成長につなげていくということが大事なのかなと思っております。
――今回の番勝負を通して自分なりに成長したなと思うこと、課題だなと思うことはありますか。
藤井 渡辺名人と2日制の対局は初めてだったんですけど、長い持ち時間であらためて対局してみて特に中盤のバランスの取り方で気づかない手を指されることが多かったので、そのあたりが特に勉強になったと感じております。
――三冠になったとき八冠は「ひとつの理想の形」と語っていましたが、五冠になって状況が進展してきました。現在は八冠についてどのような視点を持っていますか。
藤井 翌年度から防衛戦が始まりますし、まだ具体的に目指すということではないのかなというふうに思います。またそういった経験を通して実力を高めていくことで、少しでも近づければいいのかなというふうに思っています。
――普段から高勝率を誇っていますが、タイトル戦でこれまで7回戦って負けなし、フルセットも1回だけとなります。タイトル戦と普段の対局とで戦いやすさに違いがあったりしますか。
藤井 自分としては気持ちの違いなどはないんですが、タイトル戦ですと各地を転戦して対局させていただくことが多いので、自分にとってはいいモチベーションになっている部分があるのかもしれません。
――タイトル戦の中でも2日制の対局が16勝1敗。際だった成績が2日制で出ているように感じますが、ご自身はどう考えていますか。また自分の強みが出せると考えている部分があるのでしょうか。。
藤井 自分は中盤で時間をたくさん使うことが多いので、2日制であったり長い持ち時間ですと自分としては戦いやすいところがあるのかなとは思います。
――五冠を獲得することになり、他の棋士はこれまで以上に藤井さん対策を強化されることになると思いますが、望むところでしょうか。
藤井 自分としてはやり方を大きく変えるということはないので、今までやってきたことを積み上げていければと思っています。
――ストレート勝ちができた要因について作戦の立て方や時間の使い方などあれば教えてください。
藤井 中盤が苦しい対局が多かったので4連勝という結果は幸運だったのかなと思います。苦しい局面でも粘り強く指して終盤の競り合いに持ち込むことができたのがいい結果につながったのかなと思います。
――立川やSORANO HOTELの印象についてお聞かせください。
藤井 立川は初めて訪れたのですが、対局室の窓から目の前の公園であったり遠くに富士山が見えて、都会でありながら自然が豊かなところなのかなと思いました。
――初戦からたくさんの瀬戸市民が新王将の応援をしていました。愛知県外の方からは瀬戸市を応援していただく機会が増えてきましたが、それについてどんなお気持ちですか。
藤井 地元の瀬戸市の方にはいつも応援していただいてとても励みになっています。今回またひとついい報告をすることができたのがうれしく思いますし、地元の方に楽しんでいただけるように頑張っていきたいと思います。
――長い持ち時間の将棋で本領を発揮していらっしゃいますが、子ども時代から短い持ち時間は嫌いでしたか。
藤井 嫌いだったということではないのですが、昔から長考派ではあったので、当時からじっくり考えるのが好きでした。
感想戦
終局直後の様子
【藤井聡太新王将インタビュー】
――一局を振り返ってください。
藤井 序盤から常にこちらの攻めを催促する形でした。常に忙しい展開でしたが、中盤△4四桂(62手目)に▲7四歩が見えていなかったので…。どう指せばいいかわからなかったので、封じ手のあたりは少し自信がないのかなと思いました。
――2日目、好転したのはどのあたりでしたか。
藤井 △4四銀(76手目)から△4三金左として、少しこちらの玉も耐久力がある形なのかなと思っていたのですが、▲8六角(85手目)からかなり迫られる形になってよくわからなかったです。
――終盤まで難しい将棋だという実感でしたか。
藤井 形勢判断ができない場面が多かったなという気がします。
――4連勝という結果についてはいかがですか。
藤井 終わったばかりなのでまだ。実感がないところもありますが、今回の番勝負は8時間という長い持ち時間で対局して、あらためて勉強になる部分が多かったので、今後に生かしていければと思います。
――中村修九段の記録を4年ほど塗り替える最年少王将になりました。
藤井 そのことは全く意識していなかったのですが、王将はとても歴史のあるタイトルなので今回獲ることができてうれしく思います。
――4人目の五冠になりました。意義や価値についてどう受け止めていますか。
藤井 自分の実力を考えるとここまでは出来過ぎの結果なのかなと思いますし、今後なんとかそれに見合う実力をつけていけたらと思います。
――今年度の対局が残り少なくなってきました。今後の対局に向けて。
藤井 順位戦も自分にとっては大きな対局ですので、悔いのないように指せればと思います。
【渡辺明前王将インタビュー】
――カド番で迎えた本局は矢倉を採用しました。この一局をどう振り返られますか。
渡辺 封じ手のところはまずまずと思っていたのですが、手が広くなったところで間違えてしまったような感じですかね。
――4連敗について、対局内容を振り返って。
渡辺 またストレートで負けてしまったことについては…。なんというか、残念というのもちょっと違うし。もうちょっとなんとかしたかったんですけど…。
――今年度は大事な棋王戦も残っていますし、今後の対局に向けての抱負や気持ちは。
渡辺 この結果になってしまったのが残念なので…。そういう感じですね。
藤井竜王が史上最年少五冠に
第4局は114手で藤井竜王が制しました。終局時刻は18時23分。消費時間は、▲渡辺7時間55分、△藤井7時間24分。この結果、藤井竜王はシリーズを4勝0敗で制して初の王将位を獲得。同時に、羽生善治九段が持つ最年少五冠達成の記録を22歳10カ月から19歳6カ月に塗り替えました




















局面が大きく動きました。1図から▲3二と△6四歩▲6六馬△8五金(2図)▲9五角△7五歩▲2三飛成△5四桂▲6七馬△9五金▲6九玉△4七と(3図)と進みました。
2図の△8五金が手厚い手で、藤井竜王が優勢になったようです。先手はようやく飛車を成り込みましたが、3図は後手玉が6二~5三と逃げる形が広く、寄りがない格好です。控室では藤井竜王が抜け出したと見られています。




時刻は17時15分。1図から▲8三角△7三飛▲6五角成△3七歩成(2図)と進みました。
渡辺王将が▲8三角~▲6五角成として6五の拠点を消しました。中村修九段は「後手から△6六桂と打たれると先手玉が寄ってしまう変化があったので、上部を手厚くして長い戦いに持ち込もうとしているのだと思います」と見ています。形勢はなんともいえず、激戦が続いています。