第62期王将戦七番勝負第1局 Feed

2013年1月13日 (日)

Kif47

佐藤康王将は5九にいた玉を4八に移動させました。△8六歩▲同歩△同角の王手を避けたものですが、左辺の金銀から離れるだけに指しにくい手です。前期第1局の▲5七玉(参考図)を彷彿とさせる力強い玉さばきです。


Skif25

Kif45s_2

45手目▲7五同歩まで進みました。予想される進行は△7五同角▲7六銀△4二角(参考図)。△4二角では△5三角もあります。参考図では(1)▲3六銀が有力です。(2)▲7五歩は△3五歩から△3三桂が気になる筋。△3三桂には▲1六銀しかありませんが、ここまで引かされると銀が二度と使えない駒になってしまいます。また▲7五歩は△5三銀~△6四銀で目標にされるおそれもあります。

D012
(16時ごろのモニター映像)

Kif42
「数手前までは一気に攻め合いになるかと思っていましたが、現局面は少しおだやかになった印象です。先手は3四銀、後手は4四角を引いて使うような展開になるのでしょうか。(「駒をひくような展開は、陣形を発展させやすい先手が指しやすいのでは?」と質問されて)後手は△5三角と引いて、さらに7筋の歩が消えれば、△9五歩▲同歩△9七歩という筋があります。一概に先手が指しやすいとは言えません。先手は1歩得、後手は陣形が堅く、7筋で歩を手持ちにできそうです。互いに主張があります」(中座七段)

C070

午後のおやつは佐藤康王将はモンブラン、フルーツの盛り合わせ、ホットコーヒー、キウイジュース。渡辺明竜王はベイクドチーズケーキ、フルーツの盛り合わせ、ホットコーヒーです。
控え室には和菓子と抹茶が出されました。抹茶を見た青野九段は「これは裏千家ですね」。裏千家は茶碗表面を泡で覆うように茶をたて、表千家は泡の無い部分を少し残すのが特徴とのことです。

D003
(佐藤康王将のおやつ)
D005
(渡辺明竜王のおやつ)
D001_2
(控え室に出された和菓子。富士山の印が静岡らしい)
D002

本局で使用されている盤・駒・駒台は合わせて500万円近くになる高級品です。これらは『ゼロの会』で購入・提供されました。
(ゼロの会は地元の経済人で構成された市民団体です)

C080

C078

A009
(写真はいずれも前日に撮影)

現地では13時から大盤解説会が行われています。

20130113_hotoku
(大日本報徳社で大盤解説会が行われている)
20130113_hotoku1
(由緒ある城で対局が行われ、由緒ある建物での解説会が行われている)
20130113_hotoku2
(始まったばかりだが、30人近くが中座七段の解説を見ていた)
20130113_chuza1
(解説を務める中座七段。「3手目に▲7六歩なら角換わりでしたが、最近行き詰まり感があって攻め切れるか微妙なのと、渡辺さんが竜王戦でも入念に準備されていたのでやりにくかったのでしょう。2筋の歩を交換したところは2八と2六以外にもう一つ引き場所があります。それが▲2五飛で何度か指したことがあるのですが、なかなかうまくいかないですね」)
20130113_tea2
(解説会場で掛川茶が飲める。PRキャラクターは二宮尊徳にちなんで「茶のみやきんじろう」)
20130113_tea
(今日も掛川茶PRレディが大活躍。PRレディは6人いる)