2023年1月

2023年1月28日 (土)

福田三段
(再開前の対局室。福田三段が待機している)

芦沢央さん
(小説家の芦沢央さん。毎日新聞の観戦エッセイを務める)

羽生九段
(13時27分、羽生九段が先に入室)

扇子
(着席して扇子を置く。責め紙がついたままだ)

藤井王将
(藤井王将は13時28分に戻った)

電波時計
(信玄袋から取り出したのはウエットティッシュと電波時計)

藤井王将
(13時30分、対局が再開し、藤井王将が前傾姿勢になる)

再開
(しかし、すぐに次の一手を指すことなく、藤井王将の長考は続いた)

対局1日目の昼食は、藤井王将が「ズワイ&香箱蟹丼」、羽生九段が「能登豚カツカレー」です(写真はいずれも撮影用)。

Img_1909
(藤井王将の昼食)

Img_1911
(ズワイ&香箱蟹丼。もちろん蟹は金沢港で水揚げされたもの)

Img_1917
(羽生九段の昼食)

Img_1919
(能登豚カツカレー。もちもちな肉質ととろける脂のバランスが最高)

Photo_5

12時30分、図の△3五銀の局面で藤井王将が31分考え、昼食休憩に入りました。ここまでの消費時間は▲藤井王将1時間25分、△羽生九段1時間46分(持ち時間各8時間)。対局は13時30分に再開します。

△4五歩

盤上は、羽生九段が44分の長考で△4五歩と反発し、局面がより激しく動きました。

実戦は▲3五歩△7七角成▲同桂△4六歩▲3四歩に△3五銀(下図)と飛車取りに打ったのが攻めをつなぐ好手。控室では▲2八飛△4七歩成▲同金△4六歩▲3七金までは進みそうだと言われており、後手の4筋の歩が大きな拠点なりそうです。

時刻は12時を回って回っており、この局面で休憩に入る可能性は十分あります。

△3五銀

雪
(外は降り続いていた雪がやんだようだ)

藤井王将の2022年度の成績は40勝8敗(勝率0.833)。この数字は新四段を除く全棋士を対象にしたランキングで1位です。中でも先手番になった対局では24勝1敗(勝率0.960)、21連勝中という圧倒的な強さを見せており、タイトル奪取を狙う羽生九段にとっては、後手番となる奇数局(第1、3、5局)で勝利を挙げられるか大きなポイントになりそうです。

【2022年度、藤井王将の先手番の対局一覧】

日付 棋戦 勝敗 対戦相手
2022年4月28日 叡王戦第1局 出口若武六段
2022年5月15日 叡王戦第2局 出口若武六段
2022年5月24日 叡王戦第3局 出口若武六段
2022年6月3日 棋聖戦第1局 永瀬拓矢王座
2022年6月3日 棋聖戦第1局 永瀬拓矢王座
2022年6月22日 順位戦 佐藤康光九段
2022年7月4日 棋聖戦第3局 永瀬拓矢王座
2022年7月13、14日 王位戦第2局 豊島将之九段
2022年8月24、25日 王位戦第4局 豊島将之九段
2022年9月1日 棋王戦 久保利明九段
2022年9月12日 順位戦 糸谷哲郎八段
2022年9月23日 日本シリーズ 羽生善治九段
2022年10月17日 棋王戦 豊島将之九段
2022年10月21、22日 竜王戦第2局 広瀬章人八段
2022年10月31日 銀河戦 高見泰地七段
2022年11月6日 日本シリーズ 稲葉陽八段
2022年11月8日 竜王戦第4局 広瀬章人八段
2022年11月14日 順位戦 広瀬章人八段
2022年11月29日 棋王戦 伊藤匠五段
2022年12月2日 竜王戦第6局 広瀬章人八段
2022年12月19日 棋王戦挑決第1局 佐藤天彦九段
2022年12月23日 棋王戦挑決第2局 佐藤天彦九段
2023年1月8、9日 王将戦第1局 羽生善治九段
2023年1月15日 朝日杯 阿久津主税八段

羽生九段
(羽生九段は連勝でリードを奪えるか)

▲3四歩

盤上は羽生九段が居飛車を選び、雁木に囲いました。一方、藤井王将は早めに右銀を前に出し、3筋から仕掛けています。

藤井王将
(1日目の午前中から藤井王将が仕掛けていった)

時刻は10時30分を回り、両対局者に午前のおやつが用意されました。おやつは藤井王将が「和音」とアイスティー、羽生九段は「百万石ロール」とホットレモンティーです(写真はいずれも撮影用)。

藤井王将のおやつ
(藤井王将のおやつ)

和音
(和音は豆腐ババロア、和三盆ソース、加賀棒茶ムースの層になっている)

羽生九段のおやつ
(羽生九段のおやつ)

百万石ロール
(百万石ロール。味噌の塩味と玄米甘酒の甘味のバランスが絶妙な一品)

金沢東急ホテル

第3局の対局場に使用されている金沢東急ホテルは、金沢市にあるラグジュアリーホテル。1985(昭和60)年に開業し、2002年に「金沢エクセルホテル東急」に改名していますが、2015年に北陸新幹線が金沢駅までつながったことを機に現在の名に戻りました。客室の数は230を超え、兼六園や金沢城公園といった有名観光スポットから徒歩圏内にあります。

金沢東急ホテル
(昨日ツーショット撮影を行ったエントランス)

金沢東急ホテル
(2階のフロント)

金沢東急ホテル
(ホテルの所々に「和」の趣が感じられる)

対局室
(対局室)


■金沢東急ホテル

〒920-0961石川県金沢市香林坊2-1-1
TEL:076-231-2411/FAX:076-263-0154
https://www.tokyuhotels.co.jp/kanazawa-h/

▲7七角

第3局は羽生九段が△4四歩と角道を止めたことで、後手の振り飛車、または雁木の進行が予想されましたが、図の藤井王将が指した▲7七角が珍しいタイミングで、控室にいる棋士、関係者から軽いどよめきが起きました。

控室の森下九段は「先に羽生九段が趣向を見せたのですが、▲7七角はたまげましたね」とコメント。高見七段は「△4三銀と上がったときに先手が何を指すかですね」と、早くもモニターに注目が集まっています。

森下九段と島九段8
(立会人の島九段は「面白いですね」とモニターの進行に注目する)

高見七段
(継ぎ盤前の高見七段は△4三銀を予想し、その次の一手が分岐点だと話す)