2021年1月

2021年1月24日 (日)

露天風呂
(山水館は2年前、王将戦の開催にあわせてリニューアル)

露天風呂
(露天風呂は夜になると、七色の光でライトアップされます)

※露天風呂は今回特別に撮影許可をいただきました。ご協力ありがとうございます。


本日の結果、七番勝負は渡辺王将の2連勝。続く第3局は1月30、31日(土、日)、栃木県大田原市「ホテル花月」で行わます。お楽しみに。本日はご観戦ありがとうございました。

終局直後
(終局直後の様子)

渡辺明王将

■勝った渡辺明王将のインタビュー

── 一局の通しての感想は?

渡辺 なんか、いろんな手が流行っていて、かなり読まされる将棋でした。

── 封じ手辺りの印象は?

渡辺 封じ手(57手目)は▲6一桂成と思っていましたが、そこで△6一同飛か△6一同玉かが難しく、玉で取る変化も際どいのですが、本譜は駒を入れて息長く指そうかなと思いました。

── 形勢に関しては?

渡辺 △7六桂(66手目)がよくなく、昼食休憩明けの▲8四角(67手目)を見ていなくて、そこは後悔していました。

── 最終盤で負けと思う場面はありましたか?

渡辺 (109手目▲7三成桂に代えて)▲7三歩成なら上がどうなっていたか……。代案がないので仕方がなく指していましたが、読みきれてはいなかったです。

── 勝ちを意識したのは?

渡辺 本譜の進行は最後、詰みだと思ったので、△6四玉と(110手目)立って勝ちになったと思いました。

── 第3局への意気込みをお願いします。

渡辺 そうですね。来週すぐに第3局があるので、疲れを取って臨みたいと思います。

永瀬拓矢王座
(永瀬拓矢王座はよい将棋を勝ちきれなかった)

■敗れた永瀬拓矢王座のインタビュー

── 一局を通しての感想は?

永瀬 ▲8一飛(71手目)のところは、▲7三歩成と迷っていて、そちらを選ぶべきだったかもしれないです。本譜▲6三と(75手目)の組み立てでは変な感じがしたので。

── 途中は永瀬王座が指しやすい指しやすい、との声もありましたが?

永瀬 難しいとは思ったのですが、よく分からないで指してはいました。

── 控室では「▲7三成桂に代えて▲7三歩成なら」との声がありました。

永瀬 最後の△5五銀(120手目)を少し勘違いしていて、組み合わせをうっかりして詰まされてしまったという感じです。

── 第3局への意気込みをお願いします。

永瀬 はい、頑張ります。

▲6一銀

図の103手目▲6一銀の局面で、控室の久保九段と糸谷八段は「△5二桂と打てば後手が残していそう」と話していましたが、実戦は渡辺王将が△4一角と打ち、永瀬王座が▲4二金と指しました(下図)。

控室の糸谷八段は▲4二金を見て「どうして▲7二成桂と引かなかったのだろう?」と、やや困惑気味。ここ数手の攻防は、形勢が二転三転しているかもしれません。

▲4二金

糸谷八段
(継ぎ盤で変化を調べる糸谷八段)

▲6九銀

図の95手目、永瀬王座が指した▲6九銀は、持ち駒の金を温存した、いわゆる「勝ちにいった手」。代えて▲7九金と打てば先手が取れる局面でしたが、永瀬王座は、この銀引きで大丈夫と見たようです。

永瀬王座

▲7四歩

88手目△6二金のあと、▲6五角△8二金▲7四歩と進みました。図の▲7四歩が桂を支える大きな一手で、以下△8一金▲同桂成△同玉は、▲6二角成△同銀▲8三金(変化図)で後手玉が危なくなります。

変化図

しかし、現局面の後手玉は6三の地点の逃げ道があるため、簡単には捕まりません。まだまだ激戦は続きそうです。

渡辺王将

△6二金

時刻は17時30分を回り、88手目△6二金まで進みました。永瀬王座は▲3九歩△2八竜▲2三歩成△同歩▲2九歩という受けの妙技で竜を追い返すことに成功。ただし、渡辺王将が指した△2四竜~△7二玉の順も際どい順で、次に△8二金の飛車角両取りがあるため、先手はうまく攻めをつながなければいけません。

控室
(控室では、久保九段と糸谷八段が意見を交わしながら変化を調べている)

△3七桂成

渡辺王将は42分を使って△6三同玉を指し、以下▲6七角△3七桂成と進みました。いよいよ局面は終盤戦。先手は▲7六角で桂を取れば、後手玉の寄せに役立ちそうですが、そこで△7八金と打たれると自玉が危なくなるため、リスクの高い一手になりそうです。

残り時間は▲永瀬王座49分、△渡辺王将1時間4分です。

モニター
(控室のモニターに映る対局室の様子)

▲6三と

攻防の△2五桂に対し、永瀬王座は▲6三ととタダの場所に寄りました。(1)△4二玉と逃げる形は先手十分のため、(2)△6三同玉が予想されますが、そこで▲5六角が竜に当てながら三段玉を狙った好位置になります。渡辺王将は、うまくしのげるでしょうか。王手をかけられたまま、考慮が30分を超えました。

キジとイノシシ
(1階にあるキジとイノシシのはく製。キジ鍋とボタン鍋は山水館の名物料理だ)