2020年2月

2020年2月19日 (水)

Dsc_0077 (ホテル花月園に到着した両対局者は屋上で記念撮影を行った)

Dsc_0098 (ビールのグラスを手に夕日をバックに。詳細は明日のスポーツニッポン新聞の紙面をお楽しみに)

渡辺明王将に広瀬章人八段が挑戦する第69期大阪王将杯王将戦七番勝負。第3局が終わり、渡辺明王将が2勝1敗とリードしています。第4局は2月20、21日(木、金)の両日に神奈川県足柄下郡箱根町「ホテル花月園」で行われます。立会人は深浦康市九段、副立会人は中田宏樹八段、記録係は木村友亮二段(門倉啓太五段門下)が務めます。
本局の先手は広瀬八段。持ち時間は2日制で各8時間。対局開始は9時。昼食休憩は12時30分から13時30分まで。1日目18時以降の指し手を封じ、翌日9時から指し継がれます。

【主催:スポーツニッポン新聞社】
http://www.sponichi.co.jp/
【主催:毎日新聞社】
https://mainichi.jp/
【特別協賛:大阪王将】
https://www.osaka-ohsho.com/
【協賛:囲碁将棋チャンネル】
http://www.igoshogi.net/
 
インターネット中継は棋譜コメントを銀杏、ブログを琵琶が担当します。よろしくお願いいたします。
 

Dsc_0191 (対局場となるホテル花月園の外観)

Dsc_0198 (玄関に飾られている第4局開催告知のボード)

2020年2月 9日 (日)

Dsc_5826(終局直後に主催者インタビューがあった)

Dsc_5837(激戦を制した渡辺明王将)

――1日目はいかがでしたか。

渡辺 あまり前例のない将棋でした。無難に進めていたつもりが、1日目の夜に封じ手の局面を考えていたら、どれも思わしくなくて。△2四歩(56手目)から△2五歩(62手目)がうまい構想だったのかなと思い、1日目の指し方を後悔していました。

――2日目の昼まではどうですか。

渡辺 もう少し頑張れるかと思っていたのですが、昼休憩明けのところは思ったよりも悪くなっていました。△6六桂(84手目)も見落としていて、ちょっと足りない形になってしまったと思いながら指していました。

――いい勝負になったのはどのあたりでしょう。

渡辺 ▲6一飛(109手目)から▲3三歩成(111手目)で攻めのターンが回ってきたので、大変にはなったかなと思いました。それでも結局は足りないような気持ちもありながら指していましたが。

――終盤はすさまじいデッドヒートでした。

渡辺 ▲2五金(125手目)や▲3七玉(133手目)で上に逃げ越す形になり、自玉が寄らなくなりました。そのあたりで勝ちになったのかなと思いました。

――これで2勝1敗になりました。第4局の抱負をお願いします。

渡辺 また作戦を練って、本局のように内容の濃い将棋を指せればいいと思います。

Dsc_5861(敗れた広瀬章人八段。次局は先手番で迎える)

――1日目を振り返ってどうでしたか。

広瀬 先手の理想形を黙って見ていると作戦負けになるイメージがあり、少しポイントを稼ぎにいったのが1日目でした。ただ、▲7七桂(57手目)から▲6五桂と勢いよく指されて、△2五歩(62手目)でいい勝負になればいいかな、というところでした。

――2日目昼の時点では、後手に攻めの手もありそうでした。

広瀬 こちらも飛車と角を渡しているので。本譜がギリギリの攻めなのですが、切れなければ大変な勝負なのかなと思っていました。

――終盤はいかがでしょうか。

広瀬 水面下で詰む詰まないの変化がいくつもありました。ぴったりした変化もお互いあったと思いますけど、本譜は△2九と(98手目)の飛車の取り方の味が悪く、思っていたよりも難しい将棋だったんだなと思いました。

――手応えを感じた局面もあったと思いますが。

広瀬 △3七歩(94手目)の局面は少し勝っているという認識でしたが、読んでみると本譜の先手の順は最善で、いつの間にか攻守が入れ替わり、ちょっと苦しくなってしまいました。

Dsc_5879 (感想戦の前に大盤解説会へ移動する)

20200209a

七番勝負第3局は渡辺王将が勝ち、シリーズ成績を2勝1敗としました。終局時刻は19時24分。消費時間は▲渡辺王将7時間57分、△広瀬八段7時間59分。第4局は2月20・21日(木・金)、神奈川県足柄下郡箱根町「ホテル花月園」で行われます。

2002_119_2 1図から△3一歩▲3四飛△5五桂(2図)と進みました。△3一歩は銀をタダで取らせる驚きの手ですが、代えて△2三銀打も▲3四飛△同銀▲2一銀から寄せられそうでした。


2002_122_2

2図で「桂先の銀」と▲5六銀は、△3九銀▲3七玉△4五桂▲同金△2六金▲3八玉△2八と▲4九玉△4五歩(参考図)で「先手の手が見えません」と長谷部四段。この変化は後手が勝ちそうです。

実戦は2図から▲3八玉と逃げました。ここに至るまでもギリギリの変化がいくつもあり、勝負の行方は予断を許しません。


2002_122s


2002_105後手は98手目△2九とで飛車を取りましたが先手玉は詰めろにならず、先手は▲7二銀不成(図)と金を取る手が間に合いました。逆転の声はまだ上がっていませんが、まぎれ始めている可能性はあります。