2015年1月10日 (土)

前夜祭(2)

Img_0765朝比奈 豊 毎日新聞社代表取締役社長
「2015年最初の一大決戦が始まります。郷田九段がいよいよ王将戦で名乗り出ました。注目の対局でしょう。渡辺さんは昨年は羽生さんを相手に死闘を繰り広げ、4勝3敗でギリギリの勝負を制しました。渡辺さんはずっと20代でしたが、今回は30歳になって初めての防衛戦です。
2009年は高校野球の春の選抜に、掛川西高校が出た年でした。それからすぐに名人戦の第2局が熊本城で行われました。
そのとき、郷田さんは羽生さんに挑戦していました。郷田さんは惜しくも3勝4敗で敗れましたが、熊本城の対局を見た後に故郷へ帰り、御城対局のことを話をした思い出があります。そうしたら、あっという間に話が進みまして、翌年の王将戦第3局で掛川対局が実現しました。そうして、掛川対局は6年連続、開幕局としては4年連続の開催となり、すっかり将棋界は、『正月は掛川から』ということになりました。それも郷田さんのおかげだったわけです」

Img_0780森戸 幸生 スポーツニッポン新聞社代表取締役社長。
「競馬好きの渡辺王将にはスポニチ紙面で日本ダービーや有馬記念で予想していただきました。
対局前なので、結果は言いません。ついつい、グチを言いたくなる。有馬記念のジャスタウェイ、ゴール前の追い込みぶりを見ていて、中山でのゴールがもう少し長ければ…と思いました。
郷田さんも競馬だけでなく、スポーツ観戦と聞いています。
スポニチの王将戦にふさわしい二人と感激しています 。
王将戦はご存じのように記念写真が特色でして、さっそく掛川城で撮っていただきました」

Img_0797谷川 浩司 九段・日本将棋連盟会長。
「松井 掛川市長をはじめ、掛川の皆さまにお会いすると、新しい1年が始まるなと、気持ちを新たにしているところであります。渡辺さんは一昨年に王将と棋王を獲得しまして、昨年は2つとも防衛し、3年連続でダブルタイトル戦となります。将棋界の新年の顔が定着してきたのではないかと思います。最近は将棋も上昇気流に乗っていまして、競馬ではスポニチさんと森戸社長にご迷惑をおかけしたそうですが、その分、王将戦を盛り上げてくださると思います。
郷田九段はリーグで4連勝から2連敗で流れは悪かったですが、羽生名人とのプレーオフは素晴らしかったです。 先ほど朝比奈社長から四段で王位を取ったという話がありましたが、負かされたのは実は私でした。それはどうでもいいのですが、以来20年以上トップとして活躍しています。その中で、王将戦は初めての登場。2日制のタイトル戦は2009年の名人戦以来。郷田さんは長考派ですので、2日制の対局を楽しみにされているのではないかと思います。お二人には素晴らしい七番勝負にしていただきたいと思っています」

【来賓挨拶】

Img_0816松井 三郎 掛川市長。
「掛川での開幕が4年連続であることはすごいことだと話してほしいと言われたのですが、まさにそう思います。
明日は振り駒をさせていただけるということで、名誉ある役目を務めさせていただきます。ありがとうございます。渡辺王将、郷田九段には素晴らしい対局を見せ てほしいですね。
掛川は日本一のお茶の街です。品評会で深蒸し茶は10年連続で産地賞になっています。素晴らしいお茶ですので、親しんで楽しんでいただきたい。いまの私の希望は、プロ棋士が掛川から出ること。そのためにも王将戦は10年目までは開催したいと思っています。王将戦が掛川で開催されることを契機に、全国や世界に情報を発信して掛川茶がさらに広まることを期待しています」

Img_0827八木 孝信 掛川信用金庫理事長。
「私どもの信用金庫は本年で135年になります。日本で一番古い金庫です。王将戦の64年の歴史の中で、掛川対局が6年、開幕局は4年連続行われるのは大変名誉なこと。私たちや市民が非常に喜んでいます。渡辺王将と郷田九段による新しい顔ぶれでの対局です。深蒸し茶のよう に味わい深い内容を期待しています」

【来賓紹介】

Img_0849_2岡本 光正 囲碁・将棋チャンネル代表取締役社長。

Img_0852柳澤 伯夫 城西国際大学学長・元厚生労働大臣。

(書き起こし=銀杏)