船江七段は「先手はしのげていると思います。ただしのいだあとに、後手玉を仕留めないといけないのですが、どう仕留めるのかがよくわかりません。例えばここで△６八金と指されたあとに詰めろを続けるのが大変に見えます。ただ△６八金▲３一飛に△４一金と使わないといけないので、金銀３枚では攻めの継続が難しく、先手が勝ちそうに見えます」と話しています。

（検討する福崎文吾九段と船江恒平七段）

17時半頃の局面。既に両者残り１時間を切っています。後手の渡辺九段は残り29分です。

△５七銀は△５八銀不成からの寄せを見ています。直接受ける▲３九角は△５八銀不成▲２八角△６七金▲８八玉△６九銀不成▲同角と進めて、受けきれているかどうか。また控室では▲７三成銀△同銀▲８五角（▲５二角成以下の詰めろ）で先手が攻め切れないか検討しています。

上図の△２八飛は、銀が入ったときに△６六金～△６七銀と攻める順を見せています。

先手は着実に攻めるなら▲６三銀打、強く戦うなら▲８三銀打が考えられます。

銀を取ったあとの△６六金～△６七銀、また△２九飛成から桂馬を取ったあとの△６六桂はいずれも▲８八玉と寄ったときに、９六角が６九金を守っています。

船江七段は「いずれにせよ、終盤の攻め合いになりそうです」と話しています。

（検討する船江恒平七段）

（福崎文吾九段が静かに読みを入れている）

（控室から見える風景）

（雨が降り始めた）

上図は銀を６三から５二に引いた局面。この△５二銀に代えて△６四同銀と取るのは▲７四角が痛打でした。本譜の△５二銀は４三金にひもをつけながら自陣を固めた手で、△８七歩や△８六飛を楽しみにしています。

藤井王位は▲９六角と、端に角を放ちました。▲７四角では後に△８四飛が角に当たる変化が生じます。ただこの▲９六角は△８五歩とすぐに利きを止められてしまうので、検討陣は藤井王位の真意を図りかねています。

渡辺九段も予想外だったのか、頻繁に首をひねっています。

（昼食休憩時に撮影。藤井王位が使う脇息）

15時に午後のおやつが出されました。

（藤井聡太王位は飲み物のみ、パインジュースを注文）

（渡辺明九段のおやつは季節の果物タルト、オレンジジュース）

（載っている果物はイチゴ、パイン、キウイ、ピンクグレープフルーツ、オレンジ、シャインマスカット、巨峰）