2026年9月

2026年9月 8日 (火)

「元湯 陣屋」は神奈川県秦野市の南東部に位置しています。最寄駅は小田急線の鶴巻温泉駅で、北口から歩いて5分の距離です。
始まりは大正7年、三井財閥の別荘「平塚園」で、昭和に入ってから温泉旅館として開業しました。将棋・囲碁のタイトル戦は多数、開催されています。なかでも有名なのは、1952年の「陣屋事件」です。第1期王将戦第6局で升田幸三八段(当時)が木村義雄名人との香落ち対局を拒否したことで、升田八段の言い分は「玄関から呼んでも誰も出てこなかった」。しかし、真相ははっきりしない部分も多いようです。
陣屋事件以後、入り口には陣太鼓が置かれるようになり、客の送り迎えの合図に鳴らすようになりました。雨の日は太鼓が仕舞われますが、本日の朝は降っていなかったため、運よく設置されていました。
庭園の広さは1万坪を超えます。 庭園内にはサワガニやホタルが生息し、採れた山の幸は料理として提供されています。
伝統と歴史のある旅館ながら、IT技術を駆使して経営を立て直したことでも知られ、当時の石破茂・地方創生担当大臣が視察に訪れたこともあります。

【元湯陣屋】
http://www.jinya-inn.com/

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(館内案内図。真ん中下が庭園入り口で、対局室「松風」は左上にある)

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(見上げると大きいクスノキは……)

Dsc_6961_3683_2(トトロの木。名前の由来は、ジブリ映画で知られる宮崎駿監督が幼少期に陣屋の庭園で遊んでいたこと。作品にも、幼少期に見た景色が反映されているのかもしれない)

Dsc_6972_3688_2(館内のレストランに飾ってあった色紙)

2026090858△8五飛と銀取りに飛車をかわして、時刻は17時を過ぎました。封じる側が決まる18時まで、残り1時間を切っています。先手は▲2四飛を含みに左辺で飛車を目標に指したいところです。青野九段と豊川七段の検討では、▲7四歩や▲7六歩、▲6六銀が候補に挙がっています。後手の楽しみは△4五銀で、▲同銀△同歩から△4六歩と突くこと。攻防に働いている5筋の銀を消して、3筋の角を先手陣に通せば、△8七歩成▲同歩△7八角成▲同飛△8七飛成の攻めが生じます。

どちらも居玉の戦いなので、1か所でも食い破られると急に危なくなります。自陣のバランスをどう保つか、かなり難しい展開です。

Dsc_7130_3715(17時前の控室)

202609085415時3分、△7五歩は1時間32分の長考で指されました。☖7五歩までの消費時間は☗伊藤40分、☖藤井3時間51分。時間差がかなり開いています。

△7五歩が指されてからややあって、激しい雨が降り始めました。控室に雨粒がたたきつける音が響いているので、恐らく近くの対局室でも聞こえているはずです。しかし、両対局者は盤上に没頭したままで気にするそぶりを見せません。局面は勝負どころです。

Dsc_7126_3714(控室に映る対局室モニタ)

Dsc_7116_3711(陣屋の庭園。池に雨粒が落ちて、波紋が次々に広がっている)

Dsc_7123_3713(しっとりと濡れた緑の色が濃い)

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15時のおやつが提供されました。伊藤二冠は「練り切り」、「抹茶」。藤井王位は「和栗モンブラン」、「アイスストレートティー」です。

Dsc_7104_3706(伊藤二冠のおやつ。和菓子は季節を先取りして表現する。左の練り切りは錦秋<山々が紅葉で、織物のように彩られる秋の情景>をモチーフにし、左はススキとお月見の黄色、萩の花をイメージしたもの。右のものは明日、9月9日の重陽の節句<菊の節句>にあわせて、菊の花)

Dsc_7101_3707 (藤井王位のおやつ)