(伊藤匠二冠が熱戦を制し、星を五分に戻した)
□伊藤二冠の談話
―― △8七歩(74手目)が封じ手だった。午前中はどのように見ていたか。
伊藤 封じ手のあたりは手が広くて、あまり絞りきれてはいなかったんですけど。単に△8二銀を想定していて、△8七歩が入った形はあまり考えていませんでした。そこで改めて時間を使う展開になって、▲6三香(77手目)が打てないと面白くないと思ったんですけど、なかなかその先に自信を持てる展開が続きました。
―― ▲4六馬(81手目)~▲6一香成(83手目)は辛抱の時間だったか。
伊藤 ▲6三香と打った時点で▲6一香成までは進める予定でしたが、改めて見ると自信がなくなってきて、そこでかなり時間を使ってしまいました。形勢は少し苦しくてもおかしくない気がしていました。
―― ▲9一飛成(95手目)~▲4一銀(101手目)と攻め合った。
伊藤 消去法で手を選んでいて、あまり自信はありませんでした。▲4一銀まで進んで負ける順も見えなかったので、少し面白くなっていてもおかしくない気がしました。
―― ▲4一銀以降の最終盤について。
伊藤 はっきり勝ちになって手が見えなくなりました。ただ、何とか残していたのかなと思います。
―― 一局を振り返って。
伊藤 判断の難しい局面が続き、よくわからないまま指していました。そういった意味では充実感のある内容でした。
―― 次局に向けて。
伊藤 タイに戻すことができたので、第5局もしっかり準備をして臨みたいと思います。
(藤井聡太王位は猛追するも届かず)
■藤井王位の談話
―― 封じ手の前後について。
藤井 ▲7七桂(71手目)と跳ねられて、どのような方針で指すか難しく感じていました。△6四歩(72手目)と△6四香に迷っていました。本譜は先手に手を渡す指し回しになってしまうので、際どい展開になるのかなと感じていました。
―― △5五銀打(96手目)はごつい攻め方だった。
藤井 ▲6一香成(83手目)の前後が勝負どころだと感じていました。△7八と(84手目)は指しているときは自然かと思っていましたが、▲9四飛(85手目)で手が見えなくなりました。何かほかの手を掘り下げる余地があったかもしれません。△7七と~△5四香(86手目~88手目)は自分からと金を消すので、よい指し方ではないと感じていました。
―― ▲4一銀の局面について。
藤井 打たれて負けにしてしまったと感じていました。終盤は厳しい形勢でしたが、▲6六竜(121手目)の局面は手番がきたので、△4八香などを考えたほうがよかったかもしれません。ただ、終盤全体は厳しい局面が続きました。
―― 一局を振り返って。
藤井 少し駒得ではありましたが、1九の馬の働きが弱く、局面の急所をつかむのが難しい将棋でした。
―― 次局について。
藤井 一週間後ですぐに続くので、切り替えて臨みたいです。



