(インタビューが行われた。まずは勝った藤井王位から)
――28手目△1五歩から激しくなった
藤井「1筋から動いていくのは、やってみようかなという指し方でした。進んでみるとこちらの金銀がバラバラで、急所を突かれるともろい形なので、想定していた以上にバランスを取るのが大変な将棋になってしまったかと思いました」
――46手目△3三桂以下は
藤井「▲5五角(51手目)~▲6六角とされると、飛車を渡すのでは自信がない気がしました。一方でゆっくりした手だと▲1四歩からの端攻めが間に合ってくる可能性もあるので、あまり自信の持てない展開かなと感じていました」
――その後の進行は
藤井「(60手目)△5五角のあたりで▲4八金のような手も、こちらからすればかなり嫌な手かと思っていました。▲4五桂と強く攻めてこられて△同桂▲同歩△5五角では少し苦しめかと感じたので、△3五角と取っていったのですが、△1七角成(68手目)の局面は先手にいろいろな手段があるので、怖い展開になってしまっているかと感じていました」
――△1七角成の局面で封じ手。そのあたりは難しい?
藤井「本譜の▲3三歩だったり、あるいは▲2四歩とか▲2一飛の筋でいろいろ。あと、▲8四桂、▲7三歩のような筋もあり、攻めの手の組み合わせが豊富なので、後手が頑張れるかどうかという展開かなと感じていました」
――△2七馬(74手目)のあたり
藤井「▲1四歩(73手目)と伸ばされて、△1六馬は▲同飛△同角成▲8三角で先手の攻めが速いかなという感じがしたので、△2七馬は少し工夫して。攻め合いになったときに少しでも有利な形になればと思っていました」
――最終盤は
藤井「△7六桂(78手目)~△7四香と打ったあたりは感触のよい手順で、少し指しやすくなった可能性はあるのかなと感じたのですが、詰む、詰まないの変化を読む必要がある将棋なので、ずっと際どいと感じていました」
――一局を振り返って。
藤井「端から動くのはやってみたかった指し方でしたが、進んでみるとバランスの取り方が分からず、判断や急所をつかむのが難しい将棋だったと感じています」
――次局に向けて
藤井「しっかりと準備をして、よい状態で臨めればと思います」
続いて伊藤二冠へのインタビュー
――43手目▲3七桂のあたりまでは
伊藤「そのあたりは考えたことのある進行で、そのあと△3三桂(46手目)に対して▲2四歩~▲6六角の一連の手順はかなり難しい手順だと思いました。そこも考えたことのある指し方ではあったのですが、局面の全体を捉えるのが難しい将棋なのかと感じていました」
――56手目△4九角のあたりは
伊藤「△5五角(60手目)と出られたとき、指しているときはほかの指し方が見えなくて本譜の順を選んだのですが、封じ手の局面が思ったよりも自信がなかったので、▲4五桂に代えて▲4八金をもっと掘り下げるべきだったかなと。以下、△3五角に▲2三飛成が見えていなかったので、それが見えていれば考えるべきだったなと感じました」
――封じ手のあたりは
伊藤「最初の見立てよりもこちらの攻めが細いと感じていて、自信はありませんでした。そのあと本譜の△2七馬~△1六馬を見落としていて、そこでかなり差がついてしまったかなと感じました。この組み合わせが見えていなかったのはまずかったのですが、局面自体が少し苦しいような気がしていました」
(インタビューに答える伊藤二冠)
――終盤は
伊藤「▲1四歩(73手目)が生きない展開なので、かなり差がついてしまったかなと感じました」
――一局を振り返って
伊藤「1日目の指し手が軽率だったかなと感じていたので、もっと読みの精度を上げていかないといけないと感じています。△5五角に対するところでもう少し深く読みを入れる必要があったなと感じました」
――次局に向けて
伊藤「本局は攻め合いの将棋にできなかったので、もっとよい内容の将棋をお見せできるように力をつけて臨みたいと思います」



