昼食の注文は、菅井王位はフルーツとヨーグルト、豊島棋聖は松華堂弁当。対局再開は13時30分です。

（菅井王位の注文したフルーツとヨーグルト）

（豊島棋聖は松華堂弁当を注文）

12時30分、79手目▲６二金の局面で菅井王位が11分考え、昼食休憩に入りました。ここまでの消費時間は▲豊島棋聖４時間48分、△菅井王位５時間53分。昼食の注文は菅井王位がフルーツとヨーグルト、豊島棋聖が松華堂弁当。対局は13時30分に再開されます。

菅井王位の１時間５分の長考後、局面が一気に動き出しました。どちらも譲らずと金を作り合い、両者の意地と意地がぶつかって激しく火花を散らしています。

（強気な対応を見せる両者）

上図で菅井王位が長考しています。この▲４四歩は（１）△同竜なら▲６五歩と突いて、角のにらみで△５六歩を防ぐ狙いです。継ぎ盤では（２）△５四竜▲５二飛に△５三銀と打つ変化を調べています。
藤原七段が現局面から△５四竜（Ａ）▲４一飛△５六歩▲同歩△６二銀には▲４三歩成△５一銀▲６五歩（変化Ａ図）。

別の継ぎ盤では里見香女流四冠が、△５四竜に（Ｂ）▲５二飛（ａ）△５三銀▲６五歩△５六歩▲４三歩成△同竜▲３三角成△同竜▲４五桂（変化Ｂ図）の変化を示し、いずれも「居飛車（先手）が指せそう」との見解を示します。

福崎九段は「△５四竜▲５二飛△５三銀で受け潰すのは、どうも難しそうですね」との結論に達し、継ぎ盤の検討は△５三銀に代えて（ｂ）△５二同竜▲同金（ア）△４九飛の変化に移行しています。（イ）△５六歩は▲４三歩成△５七歩成▲５三と△７一銀▲６一飛（変化Ｃ図）で先手玉の堅さが生きる展開になりそうとのことです。

（１時間ほどの長考を見せる菅井王位）

控室に里見香奈女流四冠が来訪しました。「勉強しにきました」と話し、さっそく検討に加わります。

（里見香奈女流四冠）

（奨励会員も勉強に訪れており、藤原七段、里見香女流四冠の検討に参加する）

（現在は、福崎九段を中心として熱心な検討が行われている）

対局室から戻った福崎九段は開口一番、「この封じ手はレアですよ」と話しました。本来、封じ手は次の一手を示すために、動かす駒に丸印をつけ、場所を矢印で示します。しかし、今回は「４７歩成り」と符号が記してありました。控室では、矢印だけの場合「△４七歩不成」の可能性もあるため、あえて符号を記したのではないか、と推察されました。