2015年8月18日 (火)

1日目を振り返って

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◆立会人・塚田泰明九段のコメント◆

「戦型は私が予想していた四間飛車穴熊でした。後手のときに1回は指すのではないかと勝手に考えていました。大事な一局で久しぶりに出してきました。驚いたのは△4三銀ですね。ノータイムで△6三銀としたくなるところですから。実際、△6三銀の予定だったと思いますが。見かけない展開で、5五歩が負担になるかどうか。私は居飛車党なのと、手得しているので居飛車を持ってみたいですね。封じ手の局面は△5二金や△5一金、△6二飛などが考えられます。次の手で後手の方針が決まって来そうです。封じ手は△5二金と予想します。ただ、次に△6二金寄なのか△6三金か。固めるか、上部を厚くするか選択肢を考えることになります。後手は動くと見せかけて、先手に動かせる将棋になりそうです」

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◆副立会人・豊川孝弘七段のコメント◆

「広瀬八段が伝家の宝刀を抜きましたね。これまでの相穴熊戦が2勝2敗とあって五番勝負みたいですね。意外な戦型でしたが、後手で苦しんでいる感じもあったので、練った末に出したのでしょう。△4三銀では△6五銀もありました。以下▲同銀△同歩▲2四歩△同歩▲5四歩△同歩▲3三角成△同桂▲2四飛△4六歩▲同歩△同飛▲2一飛成といった展開に自信が持てなかったのだと思います。△4三銀で後手がやれているとしたら革命的です。ただ、消費時間に差がついたのは気になりますね。封じ手予想は△5二金です。以下▲7八金寄△6二金寄から5五歩をめぐる攻防になりそうです。△5一金は▲7八金寄△6一金左に▲5八飛があります。△5二飛と受けるのは▲8六角が厳しいです。駒がぶつかっていませんが、勝負どころです。現状は4一金が立ち遅れていて、広瀬八段が神経を使いそうですが、穴熊の大家には、すごい手があるのではと思わせる怖さがありますね」

(インタビュー文章:記者銀杏、写真:夏芽)